難関突破だ!横浜、東海大相模との“伝統の一戦”制す

[ 2011年7月24日 06:00 ]

<横浜・東海大相模>接戦の末に東海大相模を下し笑顔でスタンドへ走る横浜ナイン

神奈川大会5回戦 横浜3-1東海大相模

(7月23日 相模原)
 第93回全国高校野球選手権大会(8月6日から15日間、甲子園)の地方大会は23日、38大会で170試合が行われた。神奈川大会5回戦は強豪同士の激突。横浜が柳裕也投手(2年)の好投もあって、今センバツ優勝校の東海大相模を3―1で下して8強進出を決めた。また、白樺学園(北北海道)、能代商(秋田)、神村学園(鹿児島)の甲子園出場が決定。24日は南北海道、岩手など6大会の決勝を含む38大会で141試合が行われる。

 横浜にとって今夏最大の難関だった。長年のライバルであり、今センバツ覇者・東海大相模を下して8強進出。甲子園通算47勝の名将・渡辺元智監督もさすがにホッとした表情を見せた。

 「ここ数年、相模に負けていた。流れが相模にいっていたからね」

 組み合わせ抽選が決まってからこの一戦に照準を合わせてきた。それでも前日まで迷った末、先発マウンドには背番号10の2年生右腕、柳を送った。理由は制球がいいからだ。相模原球場は左翼方向に強い風が吹いていたこともあり、強力打線相手に「低めに投げろ。外中心にいけ」と徹底して長打を警戒させた。

 その柳は指揮官の指示を忠実に守った。宮崎・小松原中時代にリトルシニアの日本代表として全米選手権で初優勝に貢献。大会最優秀投手賞を受賞した実力を遺憾なく発揮した。「普通の練習試合だと思って泥臭くやろうと思いました。低めに制球できた」と最速141キロの直球にチェンジアップを中心とした変化球を低めに集めた。3回に先制ソロを被弾したが、4回から8回途中に降板するまで二塁を踏ませず6安打1四球で1失点。相馬にバトンを渡した。攻撃陣も7つのバントを決めるなどして1点目はスクイズ、2点目は内野安打、3点目は相手失策に乗じてと隙なく得点を重ねた。守備も無失策。完璧な内容で伝統の一戦を制した。

 昨夏神奈川大会は決勝で東海大相模に敗れた。1年生でベンチ入りしていた柳は、涙に暮れる先輩を見てリベンジを誓った。「あの悔しさをなんとしても晴らしたかった」。そして勝った。3年ぶりの夏まであと3勝。今年の横浜は強い。

 ◆柳 裕也(やなぎ・ゆうや)1994年(平6)4月22日、宮崎県都城市生まれの17歳。宮崎・大王小3年から投手を始め、小松原中では都城シニアに所属。日本代表として世界大会優勝。テレビ中継で見た甲子園の戦いぶりに憧れ横浜へ。1年夏からベンチ入り。遠投は110メートル。家族は母、妹。1メートル80、74キロ。右投げ右打ち。

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