こらえていた涙が…津波被害校同士の対戦 久慈工「特別な夏」終わる

[ 2011年7月18日 16:32 ]

2回、本塁を狙った大船渡高の氏家をアウトにする久慈工の捕手十門地

 18日に行われた第93回全国高校野球選手権大会岩手大会3回戦で、ともに津波被害を受けた沿岸部の大船渡高と久慈工高が対戦した。大船渡高が突き放そうとすれば、久慈工が追い上げる。一進一退の攻防は中盤まで続いたが、最後は8―3で大船渡が勝利した。

 久慈工の体育館は震災後に遺体安置所となり、グラウンドは自衛隊などが使った。練習できない間、野球部は率先してがれき撤去に携わった。

 安置所で最後に身元が判明したのは、同校のバスケットボール部のマネジャーだった。体育館から運び出される際、部員は整列して見送った。

 三上雄輔主将(17)は、負けて泣くナインの横で「(大船渡は)自分たちより被害を受けた地域。頑張ってほしい」と気丈にエールを送った。

 だが、「震災があって、同じクラスの生徒が亡くなった。信じたくなかった」と言うとこらえていた思いがあふれ「今までと違う、特別な夏だった」と背負った重責を振り返り、涙をこぼした。

 大船渡は部員約10人の家が流されるなど、甚大な津波被害に苦しんだ。吉田亨監督(44)は「お互いに苦しい中でここまで来た。うちも全力で戦った」と相手を思いやっていた。

 大船渡は4回戦で久慈と対戦。再び被災した沿岸部の学校と顔を合わせる。吉田監督は「引き締めていい試合をできるようにしたい」と意気込みを語った。

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