4番初アーチ!長野 つなぎの意識でヤクルト戦連敗止めた

[ 2011年7月17日 06:00 ]

<巨・ヤ>3回1死一塁、左越えに2ランを放つ長野

セ・リーグ 巨人6-3ヤクルト

(7月16日 東京D)
 これが巨人の新4番像だ。巨人軍第75代4番を務める長野久義外野手(26)は16日、ヤクルト戦の3回に4番3試合目にして初アーチとなる11号2ランを放った。4回はつなぎ役に徹して中前適時打で計3打点をマーク。「つなぎの4番」を自任する謙虚な主砲が13安打の打線を引っ張り、チームの対ヤクルト連敗も8で止めた。

 一番の歓声は、最後の最後に湧き起こった。4番では初のアーチを含む4打数2安打3打点と大活躍だった長野が、本拠地のお立ち台に上がる。「4番の長野選手です!」というアナウンスに、万雷の拍手が注がれた。

 「ホームランもうれしかったけど、みんながつないでくれた場面のタイムリーはよりうれしい」

 1―0で迎えた3回1死一塁だ。1ストライクから山本斉の134キロシュートを弾丸ライナーで左翼席へ。流れをチームに一気に手繰り寄せた。

 右足甲を痛めたラミレスに代わって、14日の阪神戦(甲子園)から3試合連続で球団第75代4番を務める。4番のイメージを「勝負強くて、ホームランが打てる」とする一方で「(自分は)ホームランを打てるバッターではない。たまたまです」として謙虚につなぎ役を強調した。本塁打はあくまで長打の延長と考えている。だからこそ4回2死一、三塁からの中前打を「由伸さん、小笠原さんがつないでくれた。点が入って良かった」と素直に喜んだ。

 打率トップを快走しながら試行錯誤も続ける。6月中旬から打撃練習では阿部のバットを試している。6日のヤクルト戦(神宮)では打席でも使用。結果とともに、さらなる成長も求めている。その姿にロッテ時代は「つなぎの4番」としてチームを日本一に導いた大村も「僕が時間をかけてやったことを2年目でやっている。将来が恐ろしい」と脱帽する。

 中堅の守備でも見せた。4回2死で畠山の右中間への打球をダイビングキャッチ。攻守で存在感を見せつけた背番号7に原監督も「高いステージに上がっても動じずに素晴らしいプレーをしてくれる。守備においても攻撃においても、ランナーにおいても成長している」と頼もしげだ。

 「ラミちゃんみたいに勝負強くないですが、少しでも近づけるように頑張りたい」と最後まで謙虚な長野を、ラミレスは「僕が監督でも長野を4番にするよ」と評した。つなぐ4番・長野が、どん底にあえぐ巨人を救う。

 ▼巨人・小笠原(3番・一塁で4試合ぶりに先発出場し、マルチ安打)つないで得点に絡んで良かった。準備だけはしっかりしている。やることをやるだけ。

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2011年7月17日のニュース