森高 2回戦敗退に涙も 「重光先生の野球貫けた」 

[ 2011年7月16日 17:47 ]

全国高校野球選手権大分大会の2回戦で敗退し、応援席で悔し涙を流す森高校の野球部員ら

 大分自動車道のバス事故で野球部監督重光孝政さん(44)が死亡、部員ら23人が重軽傷を負った大分県立森高校(玖珠町)が16日、大分市・新大分球場で行われた全国高校野球選手権大分大会の2回戦で敗退した。選手らは涙を流しながらも「重光先生の野球を貫けたので悔いはない」と胸を張った。

 対戦相手は甲子園出場経験のあるシード校、鶴崎工。1回表に先制点を挙げたが、2―10で7回コールド負けを喫した。

 試合後、重光さんの後任の小野優哉監督は「短い間にいろんなことがあったが、よく戦った」と選手をねぎらった。主将の平川拓也君は、重光さんに指導された通り「思いっきり声を出して、全力疾走できた」と涙を浮かべた。

 重光さんの長女で野球部マネジャーの咲希さんは、ベンチで試合を見守った。得点するたび手をたたいて喜んだが、試合が終わると、こらえ切れずに涙をあふれさせた。

 スタンドに陣取った約250人の生徒らも大粒の汗を流しながら拍子木をたたいて応援。最後まで声を張り上げ、一丸となって試合に臨んだ。

 森高は9日の事故後、出場辞退も検討したが、部員らは「一戦でも多く重光先生の野球を見せたい」と、甲子園出場を目標に掲げて取り組んできた。

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2011年7月16日のニュース