ヤクルト54年ぶり巨人8連破!“キラー”村中も復活

[ 2011年7月16日 06:00 ]

<巨・ヤ>力投するヤクルトの先発・村中

セ・リーグ ヤクルト2-1巨人

(7月15日 東京D)
 首位ヤクルトに頼もしい男が帰ってきた。右脇腹痛から約2カ月半ぶりに復帰した村中恭兵投手(23)が15日、巨人戦で6回を4安打1失点。今季3度目の登板で初勝利を挙げた。チームは前身の国鉄時代の57年以来、54年ぶりの同カード8連勝(2引き分けを挟む)を達成し、貯金は今季最多の15。村中の復活で、前半戦の首位ターンを決めているツバメ軍団の勢いはさらに加速しそうだ。

 帰ってきたGキラーの左腕で、54年ぶりの巨人戦8連勝をマークした。6回4安打1失点。村中は「ここに帰って来られて良かった。ここまで迷惑かけ通しで、支えてくれた全員に感謝しています」と今季初勝利の感想を述べると、「巨人は一番注目されているチーム。意識はあります」と臆さずに答えた。

 右脇腹を肉離れした5月1日の阪神戦(甲子園)以来75日ぶりの1軍マウンド。初回から坂本、大村と2つの空振り三振を奪い流れに乗った。1メートル88の上背から角度ある直球で押す。勝ち越した直後の6回は1番・坂本からの好打順を初回以来の3者凡退。7回から救援陣に後を託した。

 全治4週間と診断され迎えたリハビリ。「くっつかないと何もできないので10日間寝たきりでした」。1軍のテレビ中継も見ることなく、手にしたのがエース左腕・石川が5月に上梓(じょうし)した「頭で投げる。」。その哲学に「勝つための投球、勝つための最善策をとる考え方にハッとした」と、ただ投げるだけではない「勝つ投球」に気付かされた。最速144キロで「まだ球速が出ない」と漏らしたが、安打は全て単打で、四球も1つと、勝負どころでギアを上げた。昨年2試合連続2桁三振を奪い年間3勝で新Gキラーと呼ばれた相性も健在だった。

 ヤクルトの強さを村中は「チーム力。みんなでやっていく力だと思います」と言った。その言葉通り対巨人8連勝は、館山の2勝を除き6投手が1勝ずつ。自身が生まれた57年以来の記録に小川監督は「巨人が調子出ない中でのこと。うちはその場その場で勝ちにいくしかない」と話すが、チームに浸透する結束力が快進撃を支えている。

 村中に続き、球宴明けからは左脇腹筋膜炎で離脱中の由規も戻り、今季初めて先発4本柱がそろう。「これからは村中、由規が頑張らないと」と指揮官。貯金は今季最多の15となり2位・中日とは7ゲーム差となった。真夏の首位固めはますます盤石となる一方だ。 

 ▼ヤクルト・小川監督 最後はホッとしました。村中も良かったし、これからに向けてきょうの勝ちは非常に大きい。巨人戦8連勝?それは全然自分自身は関係ないので、とにかく一戦一戦頑張るだけ。

 ▼ヤクルト・相川(6回4安打1失点で1勝目の村中について)直球は球速以上に来ていたし力はあった。もっと直球は良くなるでしょうし、その中で十分すぎる内容でした。

 ▼ヤクルト・バレンティン(初回に先制の左中間二塁打)村中は久しぶりの先発だったし、先に点を取ることができて良かった。

 ≪今季は7人で8連勝、57年はカネヤン大車輪≫対巨人8連勝中のヤクルトを見るとこの日の村中を含め6人が先発。うち館山の2勝を筆頭に5人が先発勝利を挙げ、救援でも林昌勇、久古が白星と合計7人が勝利投手になっている。一方、57年(当時国鉄)の8連勝は金田が半分の4勝と大車輪の活躍。16、25回戦は完投、18、23回戦は交代完了で白星を挙げた。なお、同年の金田は巨人戦でカード別最多タイの7勝(広島戦も7勝)を稼ぎ、合計28勝で2年連続最多勝に輝いた。

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