「雅」でも「宏」でもない 小林敦がプロ初勝利

[ 2011年7月15日 06:00 ]

<ロ・西>プロ初勝利を挙げた小林

パ・リーグ ロッテ2-1西武

(7月14日 QVC)
 真夏の海風を感じて、本拠地のお立ち台に上がった。ロッテのドラフト3位・小林が7回2安打無失点。ジャスト100球でプロ初勝利を手にした。心地よい疲労感。大歓声が何よりうれしかった。

 「ホッとしました。初回から一人一人と思って先を考えずに投げた。体力的にへばってしまいました」。肩の可動域が広く、テークバックが大きい独特のフォーム。タイミングを微妙にずらし、ミスショットを誘った。唯一、得点圏に走者を背負った3回。2死三塁で原に3ボールとしたが、直球を6球続け左飛に仕留めた。一発のある中村にも臆せず内角を突きスライダー、フォークで3打数無安打だ。昨秋のアジア大会(中国)に阪神・榎田、横浜・須田らと出場。日本代表の抑えとして銅メダル獲得に貢献した度胸満点のスタイルを貫いた。

 宮城・七十七銀行から創部30年目で初のプロ選手。社会人時代は宮城県庁支店で窓口業務を行っていた。東日本大震災では野球部、支店関係者に被害はなかったものの「大変な地域もある。僕が頑張ることで励みになれば」。この日は母校・東海大相模も初戦突破。「(球場に)行くより、活躍する方が激励になる」。プロ初勝利で、野球人生で関わってきた多くの人にエールを送った。

 同い年の成瀬とは高校時代に横浜、東海大相模のエースとして競った。「プロでは向こうの方が全然実績がある。いつか追いつきたい」。25歳の目指すところははるかに高い。

 ◆小林 敦(こばやし・あつし)1986年(昭61)2月24日、静岡県島田市生まれの25歳。東海大相模3年夏は県4強で甲子園出場なし。東海大、七十七銀行を経て、10年ドラフト3位でロッテ入団。背番号は昨オフ、阪神にFA移籍した小林宏の「41」を、同姓つながりであることから引き継ぐ。1メートル78、85キロ。右投げ右打ち。

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2011年7月15日のニュース