専大松戸“千葉規定”の3時間半ルールで再試合

[ 2011年7月13日 06:00 ]

<専大松戸・千葉明徳>10回2死満塁、暴投で三走・高見(背番号17)が同点のホームを踏み、上沢(手前右)ら喜ぶナイン

千葉大会2回戦 専大松戸6―6千葉明徳

(7月12日 市原市臨海)
 第93回全国高校野球選手権大会(8月6日から15日間、甲子園)の地方大会は12日、22大会で231試合が行われた。千葉大会では今秋ドラフト候補の専大松戸・上沢(うわさわ)直之投手(3年)が、千葉明徳を相手に10回を毎回の16奪三振。しかし試合時間が3時間30分を経過したため、大会特別規定により延長11回、6―6で引き分け再試合となった。同戦は13日に八千代市営での第3試合(午後1時45分開始予定)に組み込まれ、同日は28大会で240試合が行われる。

 3時間33分の激闘を終えた専大松戸・持丸修一監督の第一声は「くたびれたなあ」。9、10回を含む3度の同点劇の末、千葉大会の特別規定により延長11回、引き分け再試合。同監督は規定を「全く知らなかった。15回までやると思っていた」と苦笑いした。

 2点リードされた延長10回に代打を送られるまで試合を組み立てたのは今秋ドラフト候補の右腕・上沢だ。140キロ前後の直球とスライダーを軸に序盤から三振の山を築く。「四球が多く早く追い込めなかったのは反省点。ピンチでは三振を狙いました」。夏場の連投を見据えて走り込みに加え、150球以上の投げ込みを春先から2勤1休で続けてきた成果で終盤も球威は衰えない。10回188球を投げ、自己最多となる毎回の16三振を奪った。

 この日も気温34度を超える酷暑。正捕手・大山は熱中症で意識がもうろうとし、途中交代。捕逸、暴投とバッテリーミスが続いた。それでも上沢は冷静さを保ち、傷口を最小限にとどめたことで打線の反撃を呼んだ。

 Aシードが初戦で強いられた大苦戦。竜ケ崎一、藤代、そして常総学院を春夏計7度甲子園に導いている持丸監督は言う。「夏の大会を勝ち上がるためにはこういう苦しい試合は必ずある。糧にして生かしていければいい」。苦しい戦いを経験してチームが強くなるのを知っているから前向きに捉える。

 負けられない理由がある。07年夏まで4年間指揮を執った常総学院との対決だ。当時総監督として支えてくれた木内幸男監督は今夏限りで勇退。「ウチが甲子園に出れば初出場だし、最後に対戦できれば最高です」。竜ケ崎一、藤代監督時代の目標だった「打倒・木内野球」をもう一度実現させるまで、負けるわけにはいかない。

 ≪千葉大会特別規定≫試合が延長になっても勝敗が決まらないときは選手の健康管理を考えて15回で打ち切り、再試合を行う。ただし1日3試合が予定され、そのゲームがその日の最終ゲームではないとき、試合時間が3時間30分を経過した場合は延長戦の新しいイニングに入らず、再試合を行う。

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