15球団熱視線!足立学園・吉本に日本ハムスカウト「ダルほうふつさせる」

[ 2011年7月12日 06:00 ]

<都桜町・足立学園>6回1失点で初戦を突破した足立学園・吉本

東東京大会2回戦 足立学園9―1都桜町

(7月11日 神宮)
 第93回全国高校野球選手権東東京大会で「下町のダルビッシュ」こと足立学園の吉本祥二投手(3年)が今夏初登板。6回1失点で最速148キロをマークするなど日米15球団のスカウトの前で能力の高さをアピールした。

 調子が悪くても、1メートル87の長身から投げ下ろす直球には迫力があった。日米15球団、総勢41人のスカウト陣が視察した吉本の今夏初登板は、6回1失点で6奪三振。神宮球場は節電のためスピード表示はなかったが、ネット裏の日本ハムなどのスピードガンでは自己最速まであと1キロと迫る148キロが計測された。

 「148キロも出ているとは思わなかった。調子は相当悪かったけど、最少失点で抑えられて良かった」

 しなやかな腕の振りから放たれる直球、日本ハム・ダルビッシュを参考にしたそっくりな投球フォームから「下町のダルビッシュ」と称される。スリムな体形、甘いマスクも似ている。足のサイズ29センチと土台もしっかりしている右腕は「そう呼ばれるのはうれしい。一番参考にしているのは体重移動。テレビ中継とかを見て勉強しています」と頬を緩めた。

 自らも初回に3点目となる中前適時打を放つなど序盤からの大量リードを背に、スピードより制球を意識したクレバーな投球。日本ハム・今成泰章スカウトは「途中から力みが抜けてス~ッと投げるところなんか、ダルの高校時代をほうふつさせる」と評した。まだ下半身がうまく使えず腕力に頼ってフォームがばらついたり、体の開きが早く直球がシュート回転するなど、課題も山積みだが、「粗削りで未完成な分、伸びしろが大きい」というのがスカウトの一致した意見だ。

 プロ志望だが、その前に目指すのが足立学園初の甲子園出場。連戦を見据えて冷たい飲料水は控え、パイナップルなどの果物を毎日摂取して体調管理に努める。「今夏のうちに150キロ出したい。調子が良ければ出ると思う」。下町から全国区へ。スケール感は本家に負けないくらい大きい。

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2011年7月12日のニュース