バレ絶叫打でサヨナラ!“お得意様”に5連勝ヤ

[ 2011年7月6日 06:00 ]

<ヤ・巨>9回2死一、三塁、バレンティンが久保から左翼にサヨナラ安打を放つ

セ・リーグ ヤクルト5―4巨人

(7月5日 草薙)
 首位を快走するヤクルトは5日、巨人相手に序盤の3点のビハインドを追いつくと、最後はウラジミール・バレンティン外野手(27)の左翼線打でサヨナラ勝ち。小川淳司監督(53)の采配もズバリはまってチームは貯金を今季最多の10とした。これで対巨人は引き分けを挟んで5連勝。2位の中日とのゲーム差も3・5をキープした。暑い夏でも元気に飛び回るツバメの勢いは止まりそうもない。

 あまりの喜びに、ヒーローは一塁ベースを越えて右翼まで駆けていった。バレンティンが巨人・久保のフォークを左翼線へ運んで、今季4度目のサヨナラ勝ち。勝利の立役者は両腕を広げて走り回った。

 「本当に最高。最後にチャンスをもらって生かせたことにホッとしている。あのイニングが終わってから、何とか自分に打席が回ってくるように念じていた」

 3時間半を回って負けはなくなった同点の9回。2死一、三塁で対巨人3試合連続引き分け目前だったが、悩める男がチームを白星へと導いた。

 来日1年目の今季は開幕から好調だったが、6月15日西武戦(神宮)から快音がぴたりと止まって39打席無安打に。伊勢総合コーチから「日本で長くやるなら、いつも同じ気持ちで野球をやりなさい」と諭されて7月1日広島戦(マツダ)でリーグトップとなる17号。不振脱出したかと思いきや、その打席以降再びトンネルに入って16打席無安打が続いていた。凡打ばかりではない。9回1死一、二塁の守備では右翼で脇谷の正面の当たりをまさかの落球。勝ち越しにはつながらなかったが、ベンチでは「打ってもダメ。守ってもダメ」と落胆していた。青木から「大丈夫。今からだ」と励まされて回ってきた最後の1打席で一矢を報いた。

 序盤の3点のビハインドを追いついての逆転劇。小川監督の采配も的中した。1点を追う7回、先頭の畠山がこの試合3安打目となる左越え二塁打。まだ打席が回る可能性も残していたが、代走・三輪を送った。続く川端の二ゴロで1死三塁。サインはゴロなら本塁突入だ。宮本の三ゴロは強い当たりだったが、俊足の三輪は迷わずスタートを切って同点のホームを陥れた。「ゴロゴー(のサイン)だったので宮本さんを信じてスタートを切った」と三輪。三塁・脇谷は前進守備だったが本塁へ送球できないほどの完璧なスタート。指揮官の采配に個々人が役割を全うして応えた。

 巨人には01年以来10年連続負け越しているが、今季は開幕カードの2連敗後に引き分けを挟んで5連勝。小川監督は「以前ほど巨人に対する意識はなくなった」と口にした。静岡は今夏最高の気温36・5度を記録した。熱い一戦を最高の形でものにしたヤクルトが、このまま首位をひた走る。

 ≪Aクラス“当確”も優勝は…≫ヤクルトのサヨナラ勝ちは今季4度目で、早くも昨季の3度を上回った。巨人戦は4月26日の3回戦から2引き分けを挟み5連勝。対巨人戦5連勝は昨季もマークしているが、6日も勝って6連勝まで伸ばせば97年の7連勝(21~27回戦)以来になる。この日の勝利で、チームは31勝21敗7分けの貯金10とした。ヤクルトの2桁貯金は09年以来14度目で、過去13シーズンのうち6度がV。4位以下は58年(4位)しかなく、CSラインとなるAクラス入りの確率は92%だが、今季はどうか。

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