ノムさんの教え生かす小川監督 強く印象に残る「進化するための変化」

[ 2011年7月4日 07:19 ]

セ・リーグ ヤクルト7―3広島

(7月3日 マツダ)
 「監督で勝てる試合はない。勝てば選手の力、負ければ監督が悪い。試合中も考えることが多くて大変」と苦笑いするヤクルト・小川監督。適材適所の選手起用は野村克也元監督譲りだ。90年からの9年間、野村政権下では選手、スカウト、2軍コーチとして接し、名将から多くのことを学び、吸収した。

 師弟関係は長い。現役時代の90年4月28日の巨人戦(神宮)では「変化球を狙え。(捕手の)山倉の性格を考えろ」と助言を受け、5球続いた変化球を捉え同点2ラン。「準備して臨むこと、割り切る決断力は大事」と痛感させられ、現在の指導に生かしている。

 強く印象に残っているのが「進化するための変化」。野村元監督はある選手の補強に関して「いらない」と一度は断言しながら「何が何でも獲れ」と前言を翻したことがあったという。「言ったことに対して責任もあるけど、言ったことを引きずりすぎて変化できないと進歩できない」。柔軟な対応力は、守備に難のあった畠山のレギュラー抜てきなどに応用される。

 昨年5月、高田繁前監督の辞任を受け、監督代行に就任。借金19のチームを最終的には貯金4まで躍進させた。監督代行時代から今季ここまでの勝率・610は、90年代の黄金期を上回る。進撃を続ける小川ヤクルト。10年ぶりのリーグ制覇へ向け、名将の誕生を予感させる。

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2011年7月4日のニュース