松井6月の打率・200 復調しなければ放出危機

[ 2011年7月2日 06:00 ]

<アスレチックス・マーリンズ>6回、一ゴロに打ち取られる松井

ア・リーグ アスレチックス4-5マーリンズ

(6月30日 オークランド)
 アスレチックスの松井秀喜外野手(37)は30日(日本時間7月1日)、マーリンズ戦に「4番・左翼」と今季本拠地で初めて守備に就いたが、4打数無安打に終わった。6月の月間打率は・200と、左手首骨折で欠場した06年を除き、メジャー9年目で自己最低となった。チームも敗れて、再び借金10。ア軍は同日の試合前、生え抜きでチームリーダーのマーク・エリス内野手(34)のロッキーズへのトレードを発表。松井も不振が長期化すれば、再び厳しい立場に追い込まれる。

 6回の第3打席。初球を打って一ゴロに倒れた松井に、本拠地のスタンドからブーイングが起きた。全4打席で芯を外されて緩い内野ゴロに凡退。「全部、沈む球を打たされた。自分が打てると感じたよりも(相手の球が)沈んでいたかもしれない」。これで最近4試合(16打数1安打)で15アウト中、内野ゴロは9個。外に逃げながら沈むツーシームを中心とした動く球を引っかけてしまう悪い兆候が出ている。

 6月は7試合で3本塁打を放つなど復調したかにみえたが、好調は長続きしなかった。松井自身「状態は悪くない」と言うものの、16日のロイヤルズ戦で日米通算500本塁打に王手をかけてから、出場11試合、49打席でノーアーチ。結局、月間打率・200に終わった。

 今季初めて本拠地で守った。左翼守備は無難にこなしたが、現時点で守備に就くことで打撃に好影響は出ていない。昨季は守備に就いた17試合で打率・339。「(守備に就くことで)体に刺激が入り、研ぎ澄まされていくものがある。それが必ず打撃にもいい影響を及ぼす」と話していたが、今季守備に就いた試合は22打数4安打。ボブ・メルビン監督代行は「守備で少し疲れているのかもしれない。1週間前のスイングではない」と指摘した。

 試合開始1時間前。メジャーデビューから9年間、ア軍一筋でプレーしてきた二塁手エリスのロッキーズへのトレードが発表された。右太腿痛で離脱中に、24歳のウィークスが台頭し、34歳のベテランの居場所がなくなった。生え抜きでチームの精神的支柱であるエリスの放出に、松井も「寂しい感じがする。チームのリーダーだった」と声を落とした。ボブ・ゲレン前監督の解任、昨季4番を務めたクーズマノフのマイナー降格…。ビリー・ビーンGMによる聖域なき刷新は今後も続くと予想され、松井もトレード期限を迎える7月に復調しなければ、再び放出危機に直面することになる。

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2011年7月2日のニュース