横浜買収へ…ノジマ、再び名乗り「10月までにはちゃんと言う」

[ 2011年6月29日 10:00 ]

<横・中>マウンドで勝利のハイタッチをする横浜ナインの後方にはノジマの広告が・・・

 家電量販店のノジマ(本社・横浜市西区)が、横浜ベイスターズの買収に再び名乗りを上げた。同社の野島廣司代表執行役社長(60)が28日、神奈川県内でスポーツニッポン新聞社の取材に応じ、あらためて球団買収の強い意向を明らかにした。横浜とユニホームのスポンサー契約を結ぶノジマは、昨年も買収に向けて動いた経緯がある。29日に開かれる横浜の親会社であるTBSホールディングスの株主総会を前にして、地元の企業が猛アピールする形となった。

 横浜買収への意欲は少しも失われてはいなかった。野島社長は、スポニチの取材に「(球団経営の)情熱はずっと持っていますし、今年に入っても(TBS側に)ずっと言い続けている。10月までにはあらためてちゃんと言うと思います」と話し、正式に交渉の席に着きたい意向を示した。

 同社は昨年、横浜の親会社であるTBSが複数の企業と球団売却の交渉を行っていることが表面化した際、10月上旬にTBS側に買収の意向を伝えていた。新潟市の準本拠地化が浮上する中で、横浜市に拠点を置く地元企業として黙ってはいられなかったのだ。球団名を「横浜ノジマベイスターズ」とする私案や、小田原、川崎など神奈川県内各所で幅広く試合を開催するプランも温めていた。しかし、TBSが売却交渉の相手を住生活グループに一本化していたため、その後の交渉は本格化しなかった。TBSと住生活グループの売却交渉は最終段階で破談。TBSは売却先を模索し続けているとの情報もあり、今年5月12日の決算発表ではTBSホールディングスの神成尚史取締役が「もし(買収を)希望するところがあれば、お話はうかがいたい」と、売却に含みを残した発言をしていた。

 そこで再びオーナー企業に名乗りを上げたノジマ。29日にはTBSの株主総会が開かれ、株主から球団売却について質問が出るのは必至。その前日に野島社長は買収への意欲を示した形だ。

 昨季は年間約6億円だった横浜スタジアムの球場使用料など、クリアしなければならない問題も多いが、横浜の球団経営は野島社長の悲願でもある。今後のノジマの動向が注目される。

 ◆(株)ノジマ 1962年(昭37)4月に「有限会社野島電気商会」設立。82年に「株式会社野島電気商会」に組織変更。91年に「株式会社ノジマ」に商号変更。関東・甲信越地方を中心に家電量販店として展開する。08年から横浜とユニホームスポンサー契約。資本金43億2300万円、従業員1145人(2011年3月現在)。本社は神奈川県横浜市西区みなとみらい2の3の3、クイーンズタワーB棟26階。野島廣司代表執行役社長。

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