イチローけん引 最強フィ軍に勝ち越し首位に0・5差

[ 2011年6月21日 06:00 ]

<マリナーズ・フィリーズ>外野手で集まりタッチを交わすイチロー

交流戦 マリナーズ2―0フィリーズ

(6月19日 シアトル)
 10年ぶり地区優勝あるぞ!マリナーズは19日(日本時間20日)、フィリーズ戦に2―0と快勝。30球団最高勝率チームとの3連戦を2勝1敗と勝ち越し、ア・リーグ西地区首位のレンジャーズに0・5ゲーム差と再接近した。イチロー外野手(37)も6回に今季最長タイの8試合連続安打となる右前打を放ち、先制のホームを踏むなど勝利に貢献。また同地区最下位のアスレチックスも今季初の5連勝で、首位まで5ゲーム差と大混戦の様相を呈している。
【試合結果】

 4月8日の本拠地開幕戦以来となる満員御礼。4万5462人の大観衆の声援を浴びた中での快勝に、イチローの口も自然と滑らかになった。

 フィリーズはプレーオフ常連チーム。その相手に勝ったことは、ただの1勝かと問われると、「いやいや、大きいと思いますよ。こういう雰囲気の中でなかなか(試合を)やってこれなかった。いい経験になると思う」

 イチローが勝利への起点となった。6回1死。今季9勝の左腕ハメルズの外角低めのチェンジアップを右前へ運んだ。2ストライク後に2球続いた内角高めの速球を見極めた上でフルカウントまで持ち込み、最後は外角低めをきっちり捉えた。2死二塁から3番スモークの左前打で先制の生還。8回にも中前打で今季30度目のマルチ安打とチームをけん引した。

 エリク・ウェッジ監督も「この勝利でチームに自信が生まれたに違いない」と、イチロー同様に手応えを口にした。すでに新人右腕ピネダが7勝、メジャー2年目のスモークが12本塁打と台頭。指揮官の適材適所の起用で若手が伸びた。大型補強はない分、選手の結束は固い。

 最年長のイチローのストイックな姿勢も好影響を与える。野手は全体練習以外にノックを受けるなど、練習熱心なチームに変貌を遂げた。01年以来、優勝から遠ざかっているが、一過性ではないチーム力を選手、監督ともに感じ始めている。

 「僕が普通になれば、僕が引っ張ることになるわけだしね。勝てるチームになれる」。不振の5月にそう話していたイチローも、今季最長タイの8試合連続安打と本来の姿を取り戻した。首位レンジャーズとは0・5ゲーム差で、70試合消化以上では03年8月26日以来となる奪首は目前。10年ぶりの歓喜へ、ファンの期待も膨らんでいる。

 ≪3年ぶり100得点も視界≫イチローは最近8試合で9得点。今季39得点で、年間87得点ペースにまで上げてきた。マリナーズに移籍した01年から8年連続で100得点をマークしてきたイチローだが、09年は88得点、10年は74得点。このままの勢いを維持できれば、3年ぶりの100得点も視界に入ってきそうだ。またイチローが今季得点を挙げた試合は30試合あり、23勝7敗で勝率は.767。月別で見ると4月は9勝3敗、5月は8勝2敗、6月は6勝2敗と安定して勝利に貢献している。

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2011年6月21日のニュース