マー君に負けん!マエケン51日ぶり今季3勝目

[ 2011年6月17日 06:00 ]

<広・楽>7回2失点で3勝目をマークした広島・前田健

交流戦 広島8-6楽天

(6月16日 マツダ)
 長かった。久々の勝利を広島・前田健は心ゆくまで味わった。「本当に最高です。粘って、打線に助けられて、投げることができました」。7回6安打2失点で4月26日阪神戦(マツダ)以来の3勝目。耐えて、泥くさくつかみ取った51日ぶりの白星は、昨年の沢村賞投手にとっても格別だった。

 立ち上がりから降雨でぬかるんだマウンド。足元をすくわれ、味方に2点をもらった直後の2回に投手の塩見に押し出し四球を献上するなど、3回までに今季最多タイの4四球を出した。「うまく投げられないのがあって、それに対応できていない自分にイライラしていました」。本来の投球ではないが、気持ちを奮い立たせ、耐え抜いた。3回2死満塁、嶋を142キロ直球で3球三振に仕留めると大きくグラブを叩いた。ピンチをしのぐたび、派手なアクションで自らを鼓舞した。

 「去年みたいな姿は見せられていないけど、泥くさく粘り強くやっていきたい」。7回無死一塁の場面では聖沢の折れたバットを間一髪でかわし、もんどりうって言葉通り泥にまみれた。前夜は同い年の楽天・田中の投球をテレビ観戦。「情けない投球をしたら、必ず比べられるので、何とかいい投球をしたかった」と大きな刺激材料を胸にマウンドに上がった。

 全幅の信頼を置くからこそ、野村監督は「5回までに相当な球数(91球)だったし、マエケンらしくない。次はエースとして、しっかりとした働きをしてもらいたい」と手厳しかった。チームの連敗を3で止めた右腕は言う。「僕も巻き返して、チームを上位に押し上げらるよう頑張ります」。エースの復活が赤ヘル反攻の合図だ。

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2011年6月17日のニュース