雄星 KO初登板も大歓声に涙…「報われた」

[ 2011年6月13日 06:00 ]

<西・阪>西武ドームの大観衆の前で菊池は2回1/3を投げ6安打4失点

交流戦 西武11―5阪神

(6月12日 西武D)
 西武・菊池の目からは涙があふれた。悔しさ、充実感、苦悩の日々…。さまざまな思いが交錯した。今季最多の3万3919人が詰めかけた西武ドームでプロ初登板を終え、19歳は会見の中盤で言葉を詰まらせた。

 「去年は野球をやっていなければどれだけ楽だったんだろうとか、考えました。でも、自分には全て必要な経験だったのかなと思います」

 試合前の先発発表。大型スクリーンでの紹介を前に、球場は大歓声に包まれた。「あの声援を聞いて報われたなと思いました」。初球は145キロの直球を投じた。満塁から暴投で初失点。2回に味方打線が逆転してくれたが、3回に4安打を集中され、53球で降板した。2回1/3を6安打4失点。結果には満足できない。それでも最速147キロの真っすぐで押すスタイルには、納得ができた。

 岩手県出身。知人を失うなど、東日本大震災は自身を変える契機となった。5月2日。Kスタ宮城での2軍戦初先発の前日に、生まれ故郷に戻った。母校・花巻東の野球部は練習を再開していた。少しずつ進む復興への過程。震災直後は「野球をやっていていいのかな」だった考えが「自分にしかできないことがあると思う」に変わった。

 首脳陣からは球数制限が課された。1週間ごとに10球程度増やすプラン。「次はやっと100球なんです」。2軍での最多は83球だったが、首脳陣はデビュー登板の機会を与えた。きょう13日に出場選手登録は抹消されるが、渡辺監督は「思ったよりバタバタしていなかった。今後も楽しみ。連戦もあるのでチャンスはある」と評価した。

 「いろいろな方に支えられて感謝の気持ちでいっぱい。びっくりするくらいの投手になって、また西武ドームで投げたい」。菊池は、胸を張って涙をぬぐった。

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