中田4番初アーチ 120メートル弾で“続投”アピール

[ 2011年6月13日 06:00 ]

<日・横>4回1死、先制7号ソロを放つ中田

交流戦 日本ハム4―3横浜

(6月12日 札幌D)
 4番は譲らない!日本ハムの中田翔内野手(22)が12日の横浜戦で4番初アーチをマークした。4回1死から左翼席に飛び込む16試合61打席ぶりの一発となる7号ソロ。4試合連続打点となり、チームも今季初の6連勝を飾った。左太腿痛で戦線離脱していた不動の4番・小谷野栄一内野手(30)は14日の阪神戦(甲子園)から1軍に昇格するが、首脳陣は小谷野の回復次第で「4番続行」を示唆した。

 思い切りしばいた。0―0の4回1死、須田が1ボール2ストライクから投じた5球目は胸元を突く内角速球。中田は平然と見送ると、再び両太腿を広げたスタンスでルーキーを凝視した。外角スライダーをファウルでカットした7球目、132キロスライダーを今度は完璧に捉えた。3万7215人の観衆が120メートル弾の目撃者となった。

 「先制点だからうれしい。ボールをしっかり見られたからあそこまで飛んだと思う。泳ぎながらでも打てているし、今の調子を継続したい」。3日のヤクルト戦(神宮)から取り組んだノーステップ打法で4番として4戦連続打点。頭を軸とした重心がブレないから変化球に対応できる。

 前日に続き、選手自らがファンサービスを企画する「選手プロデュースデー」。中田はその一環として札幌市内の小学生約100人を招待した。「小さい頃、広島市民球場に連れて行ってもらうと衝撃は凄かった。現役バリバリの緒方(孝市=元広島)さんやプロ野球選手は格好いい。こういうことをしたいなと思った。子供たちに目標にしてもらえるような活躍ができたかな」。少しだけ胸を張った。

 「僕は4番目の打者」。小谷野が2軍降格した5月25日の中日戦(ナゴヤドーム)から4番に座ると、口癖のように繰り返してきた。この日も「4番でホームランが出なかったことは意識してない。いろいろ経験させてもらっているけど自分のレベルではしっかりできている」と冷静だった。

 ただ首脳陣の評価は「代役4番」から少しずつ変化している。小谷野は交流戦残り4試合の代打起用を経て24日のソフトバンク戦(ヤフードーム)から「DH」で先発復帰予定だが、試合後、4番について聞かれた福良ヘッド兼打撃コーチは「栄一の状態を見てから」とし、昨季打点王が復帰したら即座に「6番」という既定路線から軌道修正した。梨田監督も「貴重な一発。体重を乗せて打ったね」と称えた。

 チームは19年ぶりの4試合連続1点差勝利で今季初の6連勝。首位ソフトバンクに2ゲーム差に迫った。5回無死の守備では、中村の左翼前に弾む打球を後逸し三塁打にし「しっかりしないとダメ」と反省した中田だが、バットでは間違いなく「看板打者」に成長しつつある。

 ≪4番定着後14試合目での一発≫中田(日)が4回に先制の7号ソロ。4番定着後、14試合目で待望の一発。連続試合打点は4となり、昨年8月4日ソフトバンク戦から8日楽天戦までと並ぶ自己最多タイとなった。また中田の33打点はリーグ6位だが、殊勲安打11本は内川(ソ)とT―岡田(オ)の12本に次ぎ同3位、先制安打7は内川の9本に次ぎ2位。内容面では他球団の主力打者にも引けをとらない。

 ▼日本ハム・清水外野守備走塁コーチ(中田の後逸プレーに)あれは打球に行ってよし。反対に行かなかったら怒っていた。ただ後ろにそらすのではなく体ごと止めないと。そのくらいのレベルに達している。

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2011年6月13日のニュース