岩瀬“独特”で球界一に「スピードガンは助けてくれない」

[ 2011年6月12日 16:46 ]

通算286セーブのプロ野球タイ記録を達成した中日の岩瀬

セパ交流戦 中日5―2楽天

(6月12日 Kスタ宮城)
 13年のプロ生活で、積み重ねた286セーブ。中日の守護神を支えたのは、誰にもまねができないと評されるスライダーだった。高津臣吾のシンカー、佐々木主浩のフォークボール、そして岩瀬のスライダー。球史に名を刻む抑え投手は、それぞれ絶対的な武器を持っている。

 左腕が遅れて出てくる独特の投球フォームで、打者にとっては球の出どころが見にくい。そこから直球のような軌道で、鋭く、大きく横に曲がる。「真っすぐ」のような「スライダー」を、周囲は「真っスラ」と呼ぶ。

 岩瀬と同い年の左投手で、中日時代に一緒にプレーした、独立リーグ・三重の野口茂樹は「投げ方を教えてもらっても、僕には投げられない。腕の使い方が岩瀬独特のもの」と評する。1999年に19勝を挙げた野口でも投げることのできない、唯一無二のものだ。

 決め球を生かす直球にも磨きをかけてきたが、球速は意識しない。岩瀬は「打者が速いと感じてくれればいい。スピードガンは助けてくれない」と言う。何よりも球の切れにこだわって、大記録にたどり着いた。

 

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