阪神スカウト異例の集団移動 神宮→ドーム→神宮でドラフト候補チェック

[ 2011年6月9日 11:06 ]

<東農大生産学部・慶大>7回2死、二塁打を放つ伊藤

全日本大学野球選手権2回戦 慶大5―2東農大生産学部

(6月8日 神宮)
 チーム再建を託す金の卵獲得へ、虎のスカウト陣が異例の集団移動を展開した。8日、沼沢正二球団本部長(53)を筆頭にスカウトを含めた総勢12人が、東京都内で行われている大学選手権を視察。まずは神宮球場で今秋のドラフト1位候補に1月から挙げている慶大の伊藤隼太外野手をチェックした。

 強打の“虎の恋人”は7回に右翼線を破る二塁打。痛烈な一撃を目の当たりにすると「鋭い当たりを見せてくれましたね」と同本部長。チームは今季、打撃陣が予想外の不振。「ポスト金本」として注目する東京六大学最強スラッガーの実力発揮にニンマリだった。

 投手のチェックも怠りなかった。東洋大の藤岡貴裕投手が出る東京ドームに向け、時間差で全員がタクシーに分乗して移動。東海大・菅野、明大・野村と並ぶ「投手ビッグ3」で唯一全国の舞台に出てきた左腕に目を凝らした。結果は大会タイ記録となる19奪三振の圧巻のピッチング。これには球団本部長も「キレのある球を放っていたね」と目を丸くした。

 2人の活躍を見届け、さすがに満足げに帰ると思いきや…。12人は再びタクシーで神宮へと舞い戻り、最後に今春リーグ戦10勝でブレークした日体大の辻孟彦投手の投球を見守った。「辻は地元(京都外大西)出身。注目し始めたところ」。苦しい戦いが続き、来季へ戦力の見直しが欠かせない阪神。9日の試合にも沼沢本部長自ら足を運び、近日中には近況をまとめる会合を持つ予定だ。

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2011年6月9日のニュース