これぞエースだ!田中 8回1失点で5勝目 連敗止める

[ 2011年6月9日 06:00 ]

<楽天・横浜>力投する田中の左目は真っ赤に充血

交流戦 楽天5-1横浜

(6月8日 Kスタ宮城)
 チーム状況が厳しい時こそ、エースの資質が問われる。楽天・田中が8回1失点で今季5勝目を挙げ、チームの連敗を4で止めた。

 「連敗を止めようとする気持ちが一番だった。先発投手は毎試合プレーすることはできない。1試合でどう表現するか大事ですから」

 トレードマークの雄叫びはなかった。許した安打は3本だったが「きょうはずっと良くなかった」という。それでも抑えたのは、チームの柱としての責任感だった。3回に松井稼の失策などで2死一、三塁とされ、自らの暴投で先制点を許した。しかし、その後の2死一、二塁のピンチは143キロのスプリットで金城を投ゴロに仕留めて傷口を最小限にとどめた。序盤から打線の援護を受け、好守にも助けられての勝利。お立ち台では「ここに1人でいるのはおかしいんですけど、勝てて良かった」と野手への感謝を忘れなかった。

 チームは「絶対エース」の岩隈とラズナーを故障で欠き、田中は中5日のマウンドも強いられるようになった。先発投手に与えられる休日も、返上が増えた。疲労は蓄積されているが「中5日で投げて勝たないといけないですから」とエースの自覚を口にする。

 唯一の失点も自責点とならず、防御率を1・33まで向上させた。「勝利数や勝率は自分の投球以外も影響する。防御率は自分の力が一番数字に表れる」。数ある投手タイトルの中で最もこだわりを見せる部門で、リーグ2位に浮上した。星野監督も「きょうの田中は球がきていた。このままいけばと安心感があった」と評価した。チームは連敗を4で止めて最下位を脱出。エースの投球を浮上の足がかりにする。

 ▼楽天・佐藤投手コーチ(田中について)ブルペンでは、もっと良かったんだよ。コントロールがもう少し良ければとは思うけど、上出来じゃないの。

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2011年6月9日のニュース