楽天の“武器”封じた内海&阿部の「捨て身」

[ 2011年6月5日 06:00 ]

<巨・楽>3回1死一塁、打者・松井の時、ウエストして一走・聖沢を二塁で刺す阿部

交流戦 巨人2-0楽天

(6月4日 東京D)
 得点力のない楽天が持つ最大の武器は聖沢の足である。両リーグトップの22盗塁。その足を巨人バッテリーは「捨て身」の作戦で防いだ。1点リードの3回1死一塁、2ボール2ストライク。このカウントで阿部は内海にウエストさせて聖沢を刺した。

 「あのプレーはベンチ(からの指示)です」。阿部はそれ以上語らない。ベンチの「フォロー」もあって防いだからだ。聖沢が走らず、フルカウントになれば、聖沢は自動的にスタートを切り、打者・松井稼はストライクだけを狙える。四球の可能性も高まる。それでもウエストさせた。

 聖沢には前日2盗塁を許し、初回1死一塁でも二盗された。左腕・内海相手でも右投手と同じ3メートル90という球界随一の大きなリード。内海はクイックが速いことで知られ、投球タイム(投球始動―捕手捕球)は1秒10。プロの投手として合格点とされる1秒20よりも0秒10も早い。しかし初球、126キロのチェンジアップで走られた。2度目の勝負は139キロ直球。13キロ差、さらにウエストで間一髪アウトに。原監督は「阿部のプライドもある。リスクを背負った中で勝負する決断をした」と評した。

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2011年6月5日のニュース