ファンのジャンプがエネルギー!QVCマリンに床発電検討

[ 2011年6月3日 06:00 ]

応援時のファンのジャンプによる床発電と風力発電でエコスタジアム化を目指すQVCマリン

 究極のエコスタジアムができる!ロッテの瀬戸山隆三球団社長(57)は2日、来年以降の節電対策として本拠地・QVCマリンに床発電システムの導入を検討していることを明らかにした。導入されればプロ野球界では初の試みとなる。

 ファンの応援を電力に変える。福島第1原発事故による電力不足で節電対策に取り組んでいる中、瀬戸山社長は自然エネルギーの導入だけではなく、人的エネルギーの導入まで計画していた。

 「原発や火力に頼ってばかりいては良くない。QVCマリンなら(海から流れる)風を使って風力発電ができると思う。他にも考えている。人がジャンプして、その振動で電力をつくることもできる。うちの球場ならそういうことも可能だから考えていきます」

 いわゆる床発電で人が起こす振動を電気に転換するシステムである。サッカー界では昨年J1神戸が本拠地で導入。跳びはねて応援するサポーターが起こす振動を発電エネルギーとして利用している。ロッテも熱狂的なファンが多いことで知られ、右翼席では攻撃時の好機で一斉にジャンプする。

 右翼席の最大収容人員は2629人。球場関係者によると、05年に日本一を達成した際も床発電導入を検討したそうで「節電は時代の流れ。床発電が導入されれば目玉になるし、ファンの方の応援にも熱が入るんじゃないですか」と期待を寄せた。

 すでに新設する室内練習場(12月完成予定)に太陽光発電の導入を決め、瀬戸山社長は球場にも同発電を導入する意向を示していた。さらに球場の特性を生かした風力発電に加え、床発電で応援するロッテファンの力で節電対策にひと役買ってもらい、QVCマリンはエコ化を推し進める。

 ◇床発電とは 圧力のエネルギーを利用する床型発電機。圧電素子が内蔵され、圧力エネルギーを電力に変換するもので、ガス器具の点火装置と同じ原理。サッカーのJ1神戸が昨年から本拠地に24席分の床発電を導入し、開門から試合終了までで充電型乾電池3本分が充電される発電量(1万8550ワット秒)だった。仮にQVCマリンの右翼全2629席に設置され、着席時間を約4時間と見積もると、1試合で1キロワットの発電量が想定される。開発元のJR東日本は東京駅の自動改札や渋谷駅前のハチ公広場に発電床を埋め込み、試験を継続している。

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2011年6月3日のニュース