慶大完全V!伊藤主将は3冠ならずも「最高です」

[ 2011年5月31日 06:00 ]

2季ぶりの優勝を成し遂げチームメートともに記念撮影する慶大・伊藤(中央) 

東京六大学野球最終週最終日 慶大4-3早大

(5月30日 神宮)
 東京六大学野球は早慶戦2回戦が行われ、慶大が早大を4―3で下して2季ぶり33度目の優勝を飾った。今秋ドラフト上位候補で、3冠王のタイトルがかかっていた伊藤隼太外野手(4年)は3打数1安打で打率は2位に終わった。勝ち点5で92年秋以来37季ぶりの完全優勝を果たした慶大は、全日本大学野球選手権(6月7日から、神宮ほか)で24年ぶりの日本一を狙う。 
【試合結果 勝敗表】

 この感激に比べれば、3冠王を逃したことなど何でもなかった。全校から勝ち点を挙げる完全優勝。伊藤は右翼の位置からガッツポーズで、一目散にマウンド上の歓喜の輪に飛び込んだ。

 「完全優勝を狙ってできて本当に最高です。きょうは早慶戦を楽しもうと思ってました。タイトルのことは頭にありませんでしたね」。早慶戦前まで打撃3部門のトップに立っていたが、初戦で無安打。打率2位に落ちたが、開き直ったこの日は3回の第2打席で先制の右翼線二塁打を放って試合の流れをつかんだ。

 3打数1安打で迎えた7回の第4打席。「2本打てば3冠王というのは知ってました」。安打が出れば大記録だったが、チームの勝利を優先した。際どいコースを選んで四球。さらに、味方打線の粘りで回ってきた9回2死一、二塁での第5打席でも四球を選んだ。「四球という結果には納得できてます。1点欲しい場面だったので」。苦笑いを浮かべたのはその瞬間だけ。すぐに気持ちを切り替えて勝つことだけを考えた。

 昨年11月。江藤省三監督から監督室に呼ばれて主将に任命された。「頼むぞ」。そのときから私欲は捨てた。「自分しかいないと思っていましたし、なるべくしてなったと思います」。午後1時からの練習では午前10時にグラウンドに出てバットを振った。うまくなるには練習しかないことを背中でナインに示した。そうすることが69歳の今でもノックを打ち、中京大中京の先輩でもある指揮官に報いることだと信じてきた。

 大学選手権で24年ぶりの頂点を目指す伊藤だが、どうしても達成したい次なる目標がある。それはリーグ戦全勝優勝だ。慶大のストッキングには白いラインが2本入っているが、これは全勝優勝したときにだけ加えられる伝統のライン。「秋には全勝で優勝したいですね」。どんな個人記録がかかっていても、目標のためならば喜んで四球を選ぶ。それが伊藤だ。

 ◆伊藤 隼太(いとう・はやた)1989年(平元)5月8日、愛知県生まれの22歳。中京大中京3年夏の愛知大会決勝で愛工大名電に敗れて甲子園出場はなし。慶大2年春にレギュラーを獲得。3年春から3季連続ベストナインを受賞。昨夏世界大学野球選手権では3年生ながら4番を務め、秋のアジア大会でも学生から唯一、日本代表に選出された。1メートル78、84キロ。右投げ左打ち。

 ≪全勝Vは過去2度≫東京六大学リーグで全勝優勝は慶大(1928秋、85年秋)、法大(82年春、85年春)が各2度。立大(58年春)、明大(96年秋)、早大(03年秋)が各1度。うち85年春の法大、85年秋の慶大は引き分けを挟んでいる。

  ▼巨人・高橋由(98年卒慶大OB)前評判が高かったし優勝候補と言われていた。プレッシャーに勝っての優勝おめでとうございます。選手権も秋のリーグ戦も全部、勝てるように頑張ってほしい。(伊藤は)もう一度、秋に(3冠王の)チャンスがあるから個人的なところで頑張って獲ってもらいたいですね。

 ▼立大・那賀(打率.418で首位打者)半分諦めていました。今季は基本に忠実にセンターに返そうと意識してやったのが、よかったんだと思います。

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