気配りの人 武田勝 連敗中も変えなかった

[ 2011年5月30日 07:35 ]

交流戦 日本ハム1-0広島

(5月29日 札幌D)
 打線の援護がなく5連敗中だった日本ハムの武田勝投手(32)が29日の広島戦で、ついに白星を挙げた。

 震災直後の3月下旬、どうしても実戦が減る中でダルビッシュや斎藤、外国人投手に登板機会を譲り、自らは千葉県鎌ケ谷市の2軍施設で調整を続けた。4月21日のオリックス戦(京セラドーム)から中5日と中6日登板を繰り返すことで、他投手の登板間隔は安定した。無援試合が続いても、周囲を気遣わせないよう普段と変わらない態度を貫いた。

 チームは2試合連続「1―0」完封勝ち。貯金も今季最多の9。耐えてつかんだ大きな白星に梨田監督は最敬礼だ。「勝は1点もやれない状況で自分の仕事をしてくれた。(5回は)きのうのサヨナラヒットみたいにベンチが沸いた。野手にとって1点が重かった」

 既に気持ちは次回登板予定の巨人戦に切り替えている。「きょうの投球を次も続けられるようにしたい」。通算49個目のウイニングボールは持たず連敗中も変えなかった道順で、左腕は帰路に就いた。

 ▼日本ハム・武田久(9回の1イニングを無失点で12セーブ目)僕も必死でした。勝が勝って、こういうゲームを取れたのは良いこと。

 ▼日本ハム・吉井投手コーチ(武田勝について)球界のエースになっていくため壁を一つ越えてくれた。

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2011年5月30日のニュース