涌井、今季初完封!“必然”の交流戦19勝目

[ 2011年5月26日 06:00 ]

<広・西>完封で3勝目を挙げた涌井

交流戦 西武5-0広島 

(5月25日 マツダ )
 西武・涌井が交流戦トップタイの19勝目を、今季初完封で飾った。セ・リーグの打者を牛耳る理由は、プロ22年目の天才打者との対戦に詰まっていた。

 「2アウトで(完封の)チャンスだったので、最後は三振を取りにいきました」

 9回2死二、三塁で代打・前田智。初球、銀仁朗のサインに首を振って、内角のボールゾーンにスライダーを投じる。狙い通りのファウル。続いて高めボールゾーンへの直球。空振りで追い込んだ。勝負球も高め直球を選択した。スイングしてくることを確信した、全てボール球の3球勝負。再びバットは空を切り、試合は終わった。

 前回登板の17日横浜戦(県営大宮)では9回を115球で投げ切った。この日は自己最少に並ぶ112球。交流戦で勝つ秘けつに「初球勝負」と「(コースを)狙いすぎないこと」を挙げる。銀仁朗が「セの打者は早打ちなので、早めに勝負している」と話すように、打者34人に対し、3球目以内で勝負を終えた打者は20人を数えた。

 カウントを取る意識ではなく、勝負する意識。涌井は球種が豊富なため、パの打者は狙い球を絞りにくく見逃しが増えるが、積極的にスイングするセの打者には、逆に打ち取る確率は上がる。

 「9番目の打者」としての働きも、勝ち星に無縁ではない。「(イニング間に)着替えができなかったりするのでまだ慣れていないですけど」と言いながらも、3回には先頭で左前打を放ち、中島の右前適時打で生還。4回には慣れない犠打もきっちり決めた。投打ともにセンスあふれる涌井。交流戦最多の勝ち星を挙げているのは必然といえる。

 ▼西武・渡辺監督(交流戦に強い涌井について)制球が良いだけに、四隅を狙うと球数が増えるけど、ストライクゾーンで勝負している結果だと思う。

 ☆涌井の打撃 横浜高時代の甲子園(03年春、04年夏)での通算成績は14打数4安打5打点の打率・286。3年夏は主に9番を打ち、報徳学園との1回戦で片山(現楽天)から2ランを放つなど2安打4打点。明徳義塾との3回戦でも2安打した。プロでは09年に6打数2安打、昨季は7打数3安打4打点と好成績を残し通算打撃成績は38打数8安打5打点の・211。

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