ダル、26連続イニング無失点!打ってもマルチ!

[ 2011年5月26日 06:00 ]

<中・日>7回1死、ダルビッシュは中前打を放つ

交流戦 日本ハム2-0中日

(5月25日 ナゴヤD )
 打っても凄いんです。日本ハムのダルビッシュ有投手(24)が25日、中日戦で4安打11奪三振の完封勝利。ハーラー単独トップの6勝目を挙げ、連続イニング無失点を26回に伸ばした。打撃でもプロ初のマルチ安打を記録するなど3出塁。レギュラーシーズン初登板となったナゴヤドームでスーパーエースが観客の視線を独り占めした。

 今季最速タイの155キロを2度計測するなど、4安打11奪三振で今季2度目の完封。連続無失点も26イニングまで伸ばし、ハーラー単独トップの6勝目&65奪三振は投手2冠となった。それなのに、ダルビッシュが飛びきりの笑顔を見せたのは打撃の話題が出たときだった。

 今季初打席となった2回2死一塁でネルソンのスライダーを左前に運ぶと、7回1死では直球を中前にはじき返した。「えー、何と言っていいのか…。ただ、思い切ってバットを振った。ただ、ネルソンにはフォークも投げられたし、いつ(死球を)当てられるのかと怖かった」。プロ7年目で初めてのマルチ安打。理想を追い求める投球とは対照的に、打撃に関しては少年のように無邪気だった。

 この試合前まで通算30打数3安打、打率・100のダルビッシュだが、昨季は広島・前田健からも中前打を放った。梨田監督も「先発しないときは代打としてベンチに入れたい」とベタ褒めする打撃センスを持つ。札幌ドームで行われる投手陣のフリー打撃では体重102キロの巨体から打球は軽々とスタンドを越えていく。東北高時代は通算7本塁打、中学時代の全羽曳野ボーイズでも6番打者だったことから「自分はアベレージヒッター」と笑うが、勝利への執念はバットを持っても変わらない。

 9回1死の第4打席。完封が懸かった最後の投球に専念するためにホームベースから離れて立つのではなく、打ちにいって四球を選んだ。「まだ2―0だったので“打てるなら打ってやれ”と思った。1点でも多く取りたかった」と言った。

 4月12日、西武との開幕戦(札幌ドーム)で7回7失点を喫し、防御率9・00からスタートした今季だが、そこから6連勝で気がつけば防御率1・86と定位置までやってきた。4年連続防御率1点台をマークしているスーパーエース。打って、投げて、ダルビッシュの魅力が全て詰まった試合となった。

 ☆ダルビッシュの打撃 東北時代の甲子園(03年春夏、04年春夏)での通算成績は41打数11安打0打点の打率・268。2年夏の準優勝時は主に8番を打ち、5試合で13打数4安打の・308。3年夏は9番として3試合に出場し、2回戦の遊学館(石川)戦で3安打を放つなど10打数4安打と・400をマークした。プロでの通算打撃成績は33打数5安打2打点の・152。

 ≪日本ハム投手では37年ぶりの3出塁≫ダルビッシュ(日)が今季2度目の完封で、ハーラートップの6勝目。これで開幕戦で敗れて以降6戦6勝。自身最多連勝は06年にマークした10連勝だが、6戦6勝は07年8月2日西武戦から9月5日オリックス戦で記録して以来2度目となった。10日楽天戦の初回から26イニング連続無失点。ダルビッシュの連続イニング無失点は昨年4月24日楽天戦から5月21日横浜戦にかけて記録した31イニング。チーム最多は54年米川泰夫の35イニングとなっており、次回登板で9回完封なら球団記録に並ぶ。なお2桁奪三振は41度目で、石井一(西)と並び歴代8位タイに浮上。打っては2安打1四球。日本ハム投手の2安打は昨年増井以来だが、3出塁は74年9月22日ロッテ戦のケキッチ(3安打)以来37年ぶりとなった。

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