大塚、4年ぶり実戦復帰へ「戻れる自信出てきた」

[ 2011年5月22日 06:00 ]

パドレス―マリナーズ戦で始球式を務める、前レンジャーズの大塚

 前レンジャーズの大塚晶則投手(39)が4年ぶりの実戦マウンドに立つ。20日(日本時間21日)、パドレス―マリナーズ戦の試合前に東日本大震災の被災者支援のチャリティーサイン会を開催し、始球式も務めた。07年を最後にメジャーで登板がない大塚は3度の手術を受けた右肘の状態が90%まで回復したことを明かし、来月から当地で開幕するサマーリーグで登板するプランを掲げた。

 大塚の目は希望に満ちあふれていた。始球式とはいえ、レンジャーズ時代の07年7月1日のレッドソックス戦以来、1419日ぶりの大リーグのマウンドに立った。パ軍時代の背番号16のユニホームを身にまとい、内角低めへ直球を投じた。

 「肩も肘の状態もここ2週間で良くなり、90%ぐらいまで来ている。あとは打者に投げたり、気持ちの張りも出てくれば、また戻れる自信が出てきた。早く本当のユニホームを着て戻りたい」

 06年の第1回WBCでは日本の守護神として優勝に大きく貢献。同年はレ軍で32セーブを挙げた。しかし、07年途中に右肘に激痛が走った。08年1月に腱移植(トミー・ジョン)手術を受けたが、状態は一進一退で、違和感も消えなかった。だが、諦めなかった。昨年1月に3度目の手術を受けた。サンディエゴでリハビリを続け、ようやく野球ができるといえるまで回復してきた。

 復帰への道筋も見えてきた。吉田えりも所属し、日本選手で組んで米サマーリーグに挑戦する「サムライ ALL JAPAN」の特別コーチ就任が決まっている。すでに遠投やブルペン投球もこなしており「6月に選手が来て、打撃練習で投げて…。僕のユニホームもあるので、そこで試合に投げるか、直接球団(のスカウト)に見てもらう」と同リーグで実戦復帰する可能性を示唆。さらにトライアウトも検討していることを明かした。

 「追い込まれるところまで追い込まれた。いろんなことを試してやっと良くなった。夏には試合でやれたらいい」。39歳の年齢を考えても、大リーグ復帰は簡単ではない。だが今は野球ができる喜びを感じ、腕を振ることだけを考えている。

 ≪ホフマン氏とサイン会≫大塚は、パ軍時代の同僚で通算601セーブの大リーグ記録を持つトレバー・ホフマン氏と試合前にサイン会を行った。参加料などを東日本大震災の義援金として送る。夫人の実家が仙台空港に近く、一時は連絡が取れずに心配したという大塚は「ホフマンから“日本を助けるぞ”と声を掛けてくれた。凄く感謝しているし、これが少しでも東北の人たちの力になれば」と話した。

 ◆サマーリーグ 日本選手で構成された「サムライ ALL JAPAN」が参加するのはウエスタン・ベースボール・アソシエーション(WBA)のリーグ。WBAは米最大のアマチュアリーグ「ナショナル・ベースボール・コングレス(NBC)」所属の15リーグのうちの一つで、8月に各リーグ代表のワールドシリーズを行う。WBAは6月にサンディエゴで開幕し、2カ月で約40試合が組まれている。大リーグを目指す大学生も出場し、大リーグのスカウトも視察に訪れる。

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