桧山「素直に嬉しい」神様超え14本目代打弾!

[ 2011年5月15日 06:00 ]

<神・中>9回裏2死、代打・桧山は右越えソロホームランを放つ

セ・リーグ 阪神3-4中日

(5月14日 甲子園)
 どんな苦境でもファイティングポーズは崩さない。

 2点ビハインドで9回2死走者なし、マウンドには中日の守護神・岩瀬。ゲームセットへのカウントダウンが進む中、通算4000試合の節目を迎えた甲子園に、神が降臨した。ライトスタンドに打球が消えた瞬間、書きかえられた猛虎の歴史。代打通算14本塁打の球団新記録をマークした阪神の桧山が大歓声を浴びてダイヤモンドを一周した。

 「素直に嬉しい。勝ってればなお、嬉しいやろうけどね。チームがこういう状況なんで、心からは喜べない」

 カウント1ボール2ストライクからの4球目、内角低めの136キロスライダーに反応した。「つなごうとかは、あんまり考えていなかった。ランナーもおらんかったし、2点差あったんでね。うまく打てた」。昨年8月25日以来のアーチは自画自賛の一撃で、3試合連続の安打。代打での通算打点も87となり、真弓監督を抜いて球団史上単独3位に浮上した。

 虎一筋の41歳にとって、最高の手本がそばにいた。現役時代に代打通算13本塁打を放った八木2軍打撃コーチだ。04年に引退した八木コーチに代わるように、桧山は06年から代打にほぼ専念。間近で見た1打席にかける執念、心構え、プレースタイルを継承した。「なかなか結果が出ないのは仕方がない。打てても打てなくても、結果に関係なく練習する姿を見てきた」。不振に苦しんだ昨季、現状を打破するため室内練習場でも必死で汗を流した。コーチ会議で訪れた八木コーチが、室内に足を運んでアドバイスを送ったこともある。

 代打通算本塁打を更新し次のターゲットは八木コーチの保持する同98打点の球団記録だ。チームは借金4と苦しい状況だが「一つ一つ返していかないといけない。きちんとした野球をしていくことが一番大事。背伸びせずに自分らの野球を、みんなでやっていく」と気合十分。チームを救うために、何度でも神様は降臨する。

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2011年5月15日のニュース