「夏は特別な大会になっぺよ」常総・木内監督が勇退

[ 2011年5月14日 06:00 ]

春季関東大会の開会式後に取材に応じる常総学院・木内監督

 甲子園で春夏3度の全国制覇を成し遂げている茨城・常総学院の木内幸男監督(79)が今夏限りで退任することが13日、分かった。学校関係者が明らかにしたもので、年齢や健康上の理由という。甲子園歴代5位の通算40勝を挙げた名将も今年7月に80歳。03年の勇退後に腎臓がんの摘出手術を受けるなど、健康面の不安も抱えていた。

 千葉・市原市臨海球場で行われた春季関東大会(14日開幕)開会式に出席した同監督は「体調的にもう無理だということは学校には伝えてある。でも子供たちも動揺するし、後任も決まってない。正式に決まったら発表すっから、今の段階ではノーコメントってことで」と語るにとどまった。

 53年に母校・土浦一の監督に就任した木内監督は57年に取手二へ移り、77年夏に46歳で甲子園初出場。「木内マジック」と呼ばれる巧みな采配を駆使して84年夏の甲子園決勝ではPL学園を破り、茨城県勢初の全国制覇を達成した。常総学院では01年春に優勝。03年夏の優勝後に一度は勇退したが、07年秋に監督に復帰。しかし08、09年の夏の甲子園では、いずれも初戦で敗退していた。

 「今年の夏?特別な大会になっぺよ」と笑った木内監督。春夏通算23度目の甲子園、そして4度目の全国制覇へ。名将はさまざまな思いを胸に、最後のタクトを振る。

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