小久保、200人斬りで史上16人目400号

[ 2011年5月13日 06:00 ]

<ソ・オ>4回2死、小久保は左越えにプロ通算400号本塁打を放つ

パ・リーグ ソフトバンク1-2オリックス

(5月12日 ヤフーD)
 ソフトバンク・小久保は白い歯を見せながらダイヤモンドを一周した。今季自身17試合、62打席目での節目の一発。いかにも長距離砲らしい美しい放物線を描いたのは4回だ。左中間への1号ソロは史上16人目の通算400号。「ちょっとフワフワした感じでしたね。350本までは意識しなかったけど、400本は意識した。思い出深い一本になった。長かった」

 プロ18年、1873試合目。道のりは長かった。4月12日のオリックスとの開幕戦(京セラドーム)で右手親指を剥離骨折。記録への重圧もあり、復帰後は飛距離が影を潜め「最近はフリー打撃でもスタンドまで届かん…」。しかしそんな悩みも、過去の試練に比べれば何でもない。03年3月6日の西武戦(福岡ドーム)で右膝前十字じん帯断裂などの重傷。1年間を棒に振った。逆境で励みにしたのは王貞治会長の言葉。「報われない努力があるとするならば、それはまだ努力とはいえない」――。他の故障も合わせ手術は計7度。「自分に厳しくなければ人より上にはいけない」。400本のうち、8年前の故障以降に積み上げたのは173本。それこそが小久保の誇りだ。

 「ケガが多い選手の励みになると思う。(記録を達成し)あとは優勝に全身全霊で取り組む」。通算2000安打へも113安打。しかし主将は、残るシーズンを勝利のためだけに打ち続ける。

 ▼ソフトバンク・秋山監督(歴代15位の437本塁打)いいバッティングだったよ。400号は積み重ねてきたものだからね。次は500本を目指してね。通過点なんだから。

 ▼ソフトバンク・王貞治会長 見事なホームランだった。出なくてプレッシャーもあっただろうが、これで本来の打撃に戻れる。(400号は)長くやってなきゃ絶対無理。無事これ名馬ではないが、体のコンディション、年齢、精神的な強さもある。2000本も1年間、フルにやればできる数字。そういう目標があるのはいいことだ。

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