日本ハム “元戦力外”右腕奮投「斎藤君を見たかったんだろうけど…」

[ 2011年5月9日 11:04 ]

<日・ソ>2回、斎藤に代わって緊急登板した多田野は吉井コーチから球を受けとる

パリーグ 日本ハム2-4ソフトバンク

(5月8日 札幌ドーム)
 緊急登板もなんの!日本ハム・多田野数人投手(31)が8日、ソフトバンク戦(札幌ドーム)の2回から登板。先発した斎藤佑樹投手(22)が左脇腹痛で急きょ降板した後を受けてのマウンドで、3回3安打無失点の好投を見せた。米球界など経験豊富。試合こそ敗れたが、スクランブル登板で存在感を見せつけた。

 「投手・多田野」のコールに、3万4269人の観客で埋まった大型連休最終日の札幌ドームがどよめいた。斎藤が交代。ファンのざわめきが止まらない中でも、背番号65は冷静だった。

 「焦り?こういうのは何回か経験があるので、気持ちの整理だけつけてやろうと思った」。スクランブル登板が下ったのは初回終了後。吉井投手コーチから、2回からの登板を言い渡された。ブルペンはおろか、中盤以降の登板に備えて待機していた状態。それでも一切迷いはなかった。

 これも経験がなせる技だろう。米球界での5シーズンを含めプロ生活9年目。あらゆる場面を踏んできたことが生きた。「ふわふわした状態だったが、マウンドで修正した。向かっていく気持ちだけを忘れずに投げた」。前回登板の4月27日ソフトバンク戦(札幌ドーム)から中10日。球種の状態を見極めきれないままのマウンドでも、決して痛打を許さなかった。

 いきなりカブレラをスライダー、小久保をフォークで連続空振り三振に仕留めてリズムに乗った。3回2死一、二塁では本多を138キロ直球で遊飛。4回も2死一、二塁とされたが、長谷川から126キロフォークで空振り三振を奪った。冷静と情熱を胸に投げた56球。前回登板の2イニングを合わせ、これで2試合5イニング無失点。梨田監督も「準備はギリギリだったかもしれないが試合をつくり、粘ってくれた」と称賛した。

 昨オフに1度、チームを自由契約となりながらも再契約。今季に懸ける思いは強い。「(ファンは)斎藤君を見たかったんだろうけど、試合をつくることだけを考えた。たくさんのファンの前で投げられて楽しかった」。チームの勝利はならなかったが、過酷な役割を全うした右腕は満足感を漂わせた。

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