ガッツ魂継承!坂本、鬼門ナゴヤD攻略打!

[ 2011年5月7日 06:00 ]

<中・巨>7回1死満塁、坂本は中前2点適時打を放ち、ベンチに向かってガッツポーズ

セ・リーグ 巨人3-0中日

(5月6日 ナゴヤドーム)
 しなやかに、体を、腕を目いっぱい伸ばして捉えた。1ボールからの2球目。コースは外角ボール気味の落ちる球。0―0の7回1死満塁から、巨人・坂本が決勝の中前2点打。悔しさの詰まったナゴヤドーム初戦でチームの白星を引き寄せた。

 「悔しい思いの部分は(頭の)どこかに置いておきながら、試合に入れば一球一球、集中してやるだけ。内海さんが凄い投球をしていたんで、白星を付けたかった」

 ナゴヤドームでの中日戦は昨季2勝10敗。球団として同一球場でワーストとなる9連敗を喫してシーズンを終え、リーグ4連覇を逃す最大要因ともなった。今年1月のスタッフ会議では滝鼻オーナーが「ナゴヤドームで、中日をどう叩いていくかだ」と異例の号令を掛けたほど。坂本自身も昨年は中日とのCSファイナルS直前に腰を痛め3試合に欠場。第4戦に先発復帰も敗れ、不完全燃焼で1年が終わった。

 だからこそ、チャンスで集中力は自然と高まった。昨季、チェンには打率・217と苦しめられたが、この日は初めて走者を置いた打席で仕留めた。「前の打席でいい感じで打てたので、そのイメージのままいった」。3回の空振り三振、5回の右飛と同じフォークボール。同じ球種が頭にあったからこそボール気味でも「ストライクだと思って打ちにいった」と積極的にいけた。

 前日に2000安打を達成した小笠原の背中を追う男だ。昨年1月、宮崎での合同自主トレではルーティンである右、左手1本ずつのティー打撃について直接指導を請うた。「下半身、体の芯の部分を意識するのが大事」と助言され今でも継続している。生え抜き最年長の高橋とは、オフに小笠原の自宅に招かれ野球談議に花を咲かせたこともある。チームではラミレスの935試合に続き2番目に長い221試合連続出場を継続中。今季も4月20日の阪神戦(甲子園)で守備の際に左手首を強くひねったが、後の4打席で痛がるそぶりも見せずバットを振り切った。「ガッツ」とも「サムライ」とも呼ばれる小笠原から、強じんな精神力を受け継いでいる。

 苦手意識を払しょくする白星に、原監督は「投打がかみ合ったということ。(坂本は)走者を置いたときは非常に信頼がある。集中力があるね」。今年はナゴヤドームを鬼門とは呼ばせない。

 ≪久々の安打が決勝打≫坂本(巨)がチェンから7回に決勝打。チェンとの通算対戦打率は昨季まで・210で、ナゴヤドームに限ると・071までダウン。同球場では09年7月3日からこの日の3打席目まで20打席連続無安打に抑えられていたが、久々の安打が貴重な一打になった。また、チェンからの打点付き安打は昨年8月24日に東京ドームで記録して以来5本目で、勝利打点は初。

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2011年5月7日のニュース