鳥だ新井だブラゼルだ!Vへ吉兆クリーンアップ3連発

[ 2011年5月4日 06:00 ]

<巨・神>3回表2死、新井は2者連続となる左中間ソロホームランを放つ

プロ野球 セ・リーグ 阪神7-3巨人

(5月4日 東京D)
 語り継がれるあのシーンがよみがえった。3回、減灯でやや薄暗い東京ドームの外野席に次々に打球が吸い込まれた。阪神3番の鳥谷から新井、ブラゼル。クリーンアップの3者連続本塁打は、阪神では日本一になった85年のバース、掛布、岡田による「バックスクリーン3連発」以来だ。当時、不動の1番打者だった真弓監督は「ちょっと思い出した」。吉兆を振り返る顔に笑みが浮かんだ。

 3回2死一塁で、鳥谷が口火を切った。東野の内角直球をうまく捉えて右翼席へ。今季72打席目での1号2ランに「チームに勢いをつけられた。30発、40発打つバッターじゃないし、いつか出ると思ってました」と涼しい顔で振り返った。これに絶好調の新井が続く。スライダーを左中間席に運ぶ4号ソロは、広島時代の07年以来となる3試合連続本塁打となった。5回に適時打、8回にも中前打し、今季3度目の猛打賞で打率を・394に上げた4番は「自分のスイングができた」と誇らしげに話した。

 左翼席の阪神ファンが大騒ぎする中、トリを務めたのは、この打席まで自己ワーストの20打席無安打と不振のブラゼルだった。「打席に入るのが嫌な感じだった」。それでも「来た球をしっかり打つ」と集中し、5球目のスライダーを右翼席へ運んだ。昨季47発の長距離砲が17試合目でようやく今季1号。「正直ホッとした」と口元を緩めた。

 統一球も減灯も関係なしの4本塁打。敵地での6連戦の初戦を制し、勝率を5割に戻した真弓監督は「今年初めてこういう試合ができた」と手応え。26年前は伝説の3連発から打線が波に乗り、日本一になった。虎党はその再現を期待せずにはいられない。

 【阪神の85年のバックスクリーン3連発】4月17日の巨人戦(甲子園)、2点を追う7回に3番・バースがバックスクリーンに逆転3ラン。続く4番・掛布、5番・岡田もバックスクリーン左に運んで、史上初となるクリーンアップのバックスクリーンへの3連続本塁打。打たれた巨人・槙原はマウンドで立ち尽くして降板した。試合は9回に巨人がクロマティ、原の連続弾で反撃したが及ばず。6―5の逆転勝利に阪神ファンは狂喜乱舞。現在でも伝説として語り継がれている。

 ≪3者以上は9度目≫阪神は3回に3番鳥谷、4番新井、5番ブラゼルと3者連続本塁打。阪神の1イニング3者以上の連続本塁打は昨年8月12日広島戦以来9度目になるが、3~5番のクリーンアップでは85年4月17日に同じ巨人戦でバース、掛布、岡田が放って以来26年ぶり。東野にはこれまで3勝を献上しており、黒星をつけたのは初。また東野の通算被本塁打は36本あったが、阪神戦は09年浅井の1本だけ。本塁打0に封じられていた3選手がうっぷんを晴らした形だ。

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