松井、初球サヨナラ弾!長嶋超え通算8本目

[ 2011年5月4日 06:00 ]

<アスレチックス・レンジャーズ>延長10回先頭、サヨナラ本塁打を放ち、祝福される松井

ア・リーグ アスレチックス5―4レンジャーズ

(5月2日 オークランド)
 Nを超え、Oに並んだ!アスレチックスの松井秀喜外野手(36)が2日(日本時間3日)、レンジャーズ戦の延長10回に本拠地初本塁打となるサヨナラ3号ソロを放った。日米通算8本目の劇弾は、恩師の巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(75)を超え、ソフトバンク・王貞治会長(70)に並ぶ一発。チームは昨季ア・リーグ王者に3勝1敗と勝ち越して、首位に1ゲーム差と迫った。
【試合結果】

 チーム最年長、36歳のヒーローは本塁ベース上でもみくちゃにされた。最後はゲレン監督と熱い抱擁だ。満面の笑み。誰もが待っていた松井の本拠地初本塁打は、サヨナラアーチとなって右翼スタンドに突き刺さった。

 「集中して狙い球を絞っていこうと思った。勝たなくちゃいけない気持ちが、途中から強くなっていた。最高の場面で、それがサヨナラ本塁打で非常にうれしい」。直前の延長10回表に、投手陣が2死満塁のピンチを切り抜けての先頭打者。勢いと流れに乗って、初球の88マイル(約142キロ)の直球を迷わず仕留めた。日米通算8本目の劇弾で、初球を打ったのは初。長嶋の7本を超えて王に並んだ。伝説の域へ、また一歩足を踏み入れた。

 本塁打を打った左腕オリバーは、過去13打数2安打で本塁打0、5三振の天敵。しかし松井は「何度も対戦している。球筋も頭に入っていた。甘い球だけ狙って、その通りにきた」と振り返った。過去は反省すれど、引きずらない。「いつも新しい気持ちで、いつも同じ気持ちで打席に入っている。前の結果がどうだから、とかはない」。自分を信じる強い力。ベテランの最大の武器は、そのぶれない思考にある。4月の月間打率・242は自己ワースト。この日も4打席目までノーヒットだった。今季は「膝は手術後では一番いい」と言いながら、ここまで結果には結びついていない。そんなジレンマを抱えながら、15試合ぶりの一発。本拠地13試合目での初アーチに、試合後は「本来なら遅いんですけど…」と本音も漏らした。

 この試合は観衆9193人。主催ゲームで今季初めて1万人を割り、サヨナラ弾も空席の目立つ右翼席に飛び込んだ。巨人、ヤンキースなど人気球団でプレーしてきた松井が、本拠地でこれだけ少ない観衆の前でプレーをするのは初めてだろう。「プレーには影響ない。試合に集中するだけですから」。そう言った後に「きょうの勝利で100人くらい増えることを期待しています」と笑顔で付け加えた。これで日米通算500号まであと4本。アーチで勝利を呼び、ファンを呼ぶ。松井の本領はそれでこそ発揮される。

 ▼アスレチック・スゲレン監督 ベンチが今季一番盛り上がったな。天井に頭をぶつけないかと心配したよ。マツイの本塁打は打撃音が凄かった。ぞくぞくしたよ。彼には去年まで何度も痛い目に遭ってきたからね。

 ≪日本最多は清原12本≫サヨナラ本塁打は日本選手では清原和博の12本が最多で、松井の日米通算8本(日本時代5本)は4位タイに相当する。大リーグで松井は通算3本目だが、日本選手では、ほかに08年4月の井口(現ロッテ)、09年9月のイチロー(マリナーズ)が打っている。サヨナラ打(犠飛含む)もポストシーズンを含め通算7度目で日本選手で最多だ。また、松井はこの本塁打で日米通算996長打。日本の歴代3位・張本勲(本紙評論家)に並んだ。1位は王貞治の1315長打。

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