新スタート 最年長監督から指導者1年目青年監督へ

[ 2011年5月3日 11:04 ]

新体制の下、活躍を誓う江陵ナイン

 第50回春季全道高校野球大会十勝支部予選の組み合わせが2日、決まった。1月に星栄監督(享年75歳)が急死した江陵は、今春に大東文化大を卒業した長野県出身の松沢広大(こうだい)監督(22)が新監督に就任。道内高校球界最年長監督から社会人1年目の監督へ引き継がれたチームは、14日の支部開幕戦で上士幌と対戦する。

 悲しみを乗り越え、江陵がこの春新たなスタートを切る。小菅敬祐主将(3年)は「支部優勝が目標。最低でも(夏の)シード権獲得」と決意を新たにした。

 1月11日、星監督が急性心不全で死去した。くしくも新年の練習スタート日。昨年12月23日の練習納めが、97年からチームを率いてきた星監督の最後の練習となった。「ミーティング中も試合中も、技術2割、気持ち8割と言われた」と小菅主将。82年夏に帯広農を甲子園出場に導いた名将の死。ナインのショックは大きかった。

 監督生活52年の道内高校球界最年長監督が志半ばで残したチームを、今春大学を卒業したばかりの松沢監督が引き継いだ。長野・松代3年の夏に捕手として甲子園出場。今春から教員として江陵に勤務し、星監督の下で指導者としてのノウハウを学ぼうとした矢先だった。「年齢は選手に近いが、50年間の経験がある方から自分になって生徒も不安になったと思う」と松沢監督は話す。

 3月30日のチーム合流後は早速、各部員の目標を確認。甲子園への思いを受け止めた。着任後、星監督の仏前に手を合わせた新監督は「自分の時より技術レベルは高い。生活態度からしっかりして、(周囲の人から)部を応援したいと思われないと。仏前に優勝旗を持っていきたい」。今春からは同校野球部OBの西田つばさコーチ(22)も就任。新監督と、星監督の薫陶を受けた西田コーチで04年夏を最後に全道舞台から遠ざかるチーム復活に挑む。

 冬はいてつく寒さの中でのポール間走など厳しい練習に打ち込んだ。「全国に通用するチームになっていきたい」と小菅主将。スタッフと部員24人が一丸になる。

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2011年5月3日のニュース