「彼はハンカチ、僕は雑巾」あの怪童尾崎が斎藤にエール

[ 2011年5月2日 06:00 ]

パ・リーグ 日本ハム3-3西武

(5月1日 札幌D)
 日本ハム・斎藤にエールを送るのがチームの大先輩・尾崎行雄氏(66)だ。17歳で東映(現・日本ハム)でプロデビューし、1年目の62年から20勝9敗。剛速球を武器に開幕から3戦3勝をマーク、「怪童」と呼ばれた。通算107勝も右肩を酷使し73年に29歳で現役引退し、現在は東京都内でステーキ店を営んでいる。

 同氏は、1日に斎藤が白星を挙げれば、開幕3戦3勝で自らに並ぶ球団史上2人目の快挙と知っていた。「私以来とお客さんから聞いた」。01~09年に開催されたマスターズリーグに参加した同氏。最近はプロ野球を見ることもないというが、それでも早大時代に斎藤の投球を見たことがある。「すでに完成されていた。ルーキーといっても向こうは大卒。こちらは事実上高3で、大人と子供みたいなもの。向こうは顔も男前でハンカチで汗を拭うぐらいさわやか。私は雑巾で拭いていた」と投手としてのタイプが異なると感じている。

 それでも大きな共通点が2人にある。甲子園V腕の称号だ。尾崎氏は61年夏の甲子園で浪商(現・大体大浪商)の2年生エースとして全国制覇し、高校中退してプロの門を叩いた。「(甲子園)優勝投手は大成しないとよく言われた。だから余計に燃えた。斎藤君もすでに2勝。注目されて大変だろうが、球界の宝だからね。それに負けずに頑張ってほしい」とエールも忘れなかった。

 ◆尾崎 行雄(おざき・ゆきお)1944年(昭19)9月11日、大阪生まれの66歳。浪商の2年生エースとして61年夏の甲子園を制覇。その後、高校中退し東映入団。1年目から20勝で新人王。65年27勝で最多勝に輝くなど、64~66年は3年連続で20勝以上も67年夏に右肩故障し73年に現役引退。通算107勝83敗、防御率2.70。1メートル76、83キロ。右投げ右打ち。

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2011年5月2日のニュース