ラミレス御礼弾!巨人新、4番で416戦連続先発出場

[ 2011年5月2日 06:00 ]

<横・巨>8回無死、左越えソロを放ちベースを1周するラミレス

セ・リーグ 巨人7-5横浜

(5月1日 横浜)
 巨人史上、最高にタフな4番だ。巨人のアレックス・ラミレス外野手(36)が1日の横浜戦で、4番として416試合連続先発出場を達成。アスレチックス・松井秀喜外野手(36)が巨人時代に記録した415試合を抜いて、球団新記録を打ち立てた。その「記念日」に、ラミレスは初回に先制の右越え適時打と8回にはダメ押しの左越え5号ソロ。2戦連発、2戦連続V打で、4番の責務を十分過ぎるまでに果たした。 

 4番の仕事、4番の価値とは試合を決められることにある。8回。先頭のラミレスは代わったばかりの加賀の初球、内角低めのシンカーを読んだ。「打席に入る前から、真ん中より内側に来る球が頭にあった。準備とアプローチが合わさって打てた」。打球は降りしきる雨を切り裂くように左翼席へ。初回に5点を先制しながら、1点差にまで迫られた中で、横浜に引導を渡した。

 「巨人の4番は大きな意味がある。節目の試合で打てて良かった」

 試合前のスタメン発表。「4番ラミレス」の名前がコールされると、球場全体から拍手が起きた。巨人の4番打者として416試合連続先発出場。前日に並んだアスレチックス・松井を抜き去り、球団新記録となった。「神に感謝したい。ファンの皆さんにも感謝したい」。原監督は「同じ野球人として監督と選手で立場は違うけど、尊敬する」と称えた。

 01年にヤクルト入団。08年に巨人に移籍すると、同年5月4日のヤクルト戦(神宮)から常勝軍団の第74代4番を守り続ける。常に結果が求められる重圧の中で、プロ野球記録となる8年連続100打点を記録するなど名実共に4番だ。

 今季は行く手を阻む最大の「難敵」があったが、それも攻略した。飛ばないとされる統一球だ。春季キャンプ中に昨季より15グラム重い925グラムのバットを発注したが、開幕戦からは使い慣れた昨季までのモデルを使用してきた。だが、手元まで引きつけて逆方向を狙った際に詰まって飛距離が伸びないため、4月26日のヤクルト戦(静岡)から925グラムの使用に踏み切った。重さとは対照的に、グリップは細め。指をしっかり掛けることで、より遠心力を利用する狙いだ。決勝弾を放った前日は、ロッカールームでナインから祝福される度に「キュウヒャクニジュウゴー!」。新バットの効果を強調していた。この日も初回1死一、三塁で詰まりながら右翼フェンス直撃の先制適時打。「やっぱり重い方が飛ぶ」と好感触を口にした。

 既に3年近く守り続ける4番。ある意味、ONよりタフな存在と言えるかもしれない。新たな勲章を得たこの日、投手として関西独立リーグの「神戸サンズ」に入団する三男のアレキサンダー君(17)が来日。対面はかなわなかったが、父の活躍は、最高のエールとなるはずだ。父子の夢は、同じプロ球団でプレーすること。いつの日か。それまでは不動の4番として、輝きを放ち続けていく。

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2011年5月2日のニュース