「超一流がない」館山 打者心理読み切る観察眼は見事

[ 2011年4月29日 11:00 ]

<ヤ・巨>9回2死一塁、館山が小笠原を空振り三振に抑え、2安打完封を決めた 

セ・リーグ ヤクルト4-0巨人

(4月28日 静岡)
 【栗山秀樹アングル】2試合連続完封も必然と思えてしまう。コントロールと切れ、打者心理を読み切る観察眼。どうしたら抑えられるかをヤクルト・館山は知っている。

 初回の小笠原。内角へ切れ込むカットボールで追い込み、シュート気味に内角のボールからストライクになる直球で見逃し三振に仕留めた。カットボールを意識させられた小笠原は、同じように体の方へ向かってくると思っただろう。体を開いて見逃した球が逆にストライクゾーンへ。右翼からの強い逆風も利用した内角攻めに、館山の投球術が凝縮されている。不振の小笠原は4三振と目を覚まさせず、打者心理を巧みに突く配球で27アウトを積み上げた。「僕はどの球種も超一流がない」という。だから打者がカウント別にどの球にどう反応するか常に観察し、投球に生かしている。変化球も同じ腕の振りで曲がり幅を変えるなど工夫。こうした館山の考え方が若い投手陣の成長を促す今季、ヤクルトのこの勢いは決して一過性ではない。 (スポーツキャスター)

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2011年4月29日のニュース