尚成、松井斬った!元G初対決に「ワクワクした」

[ 2011年4月29日 06:00 ]

<エンゼルス・アスレチックス>8回表二死三塁、高橋(右)に左直に打ち取られる松井

ア・リーグ エンゼルス1―2アスレチックス

(4月27日 アナハイム)
 エンゼルスの高橋尚成投手(35)が27日(日本時間28日)、アスレチックス戦で念願の「ゴジラ斬り」を果たした。8回に巨人時代の先輩・松井秀喜外野手(36)とメジャーの舞台で初対戦し、左直に仕留めた。これまで互いにユーモアたっぷりの挑発合戦を繰り広げてきたが、初の真剣勝負では高橋に軍配が上がった。試合は延長10回の末、ア軍が勝利した。

 冗談を飛ばし合う良き先輩であり、そして最も恐れる打者。高橋の松井とのメジャー初対戦は0―1の8回2死三塁、しびれる場面で実現した。

 高橋「1点取られたら負けが決まってしまう。「松井さん」ではなく、「松井秀喜」はどういう打者なんだ、と再認識しながら投げた」

 視線は合わせず、一度後ろを向いて深呼吸。汗をぬぐった。直球、スライダーで追い込み、こん身の高め90マイル(約145キロ)直球で左直に。グラブを2度、力強く叩いてベンチに引き揚げた。

 松井「(後輩とは)やりづらいと言えばやりづらいけどね。でも打席に立ったらもう関係ない。次は打てるようにするだけですよ。」

 高橋は「やられたと思った」、松井も「当たりは良かった」と話した。勝負を分けたのは「高めを使う」という明確な意図だ。21日レッドソックス戦。高橋は左の主砲オルティスに対し外角2球で追い込み、内角高めでのけぞらせた後に外角球で見逃し三振に斬った。「その状況と同じような感じで投げた」3球目。ボール球にするつもりで投じた思い切りが、打球をわずかに詰まらせた。

 試合には勝ったが、今季4番としての出場5試合目で初の無安打に終わった松井。高橋の巨人時代との印象の差について「あんまり細かく覚えてないんですけどね」と苦笑しつつ「良い球が来ていたと思う」と称えた。

 高橋「久しぶりにワクワクしたし、物凄く楽しめた。やっぱり雰囲気はありますし、日本一の打者と思っている」

 過去の対戦は高橋いわく、8打数5安打で4本塁打。しかし、紅白戦やシート打撃など真剣勝負ではなかった。根っから明るい左腕は「あくまでもネタにしていただけで参考にはならない。自分ではそう信じていた」と本音。最近8試合は計8回2失点と上り調子で「これからは対松井秀喜として1打席でも多く打ち取れるよう最善を尽くすだけ」と気を引き締めた。今季の対戦は残り16試合。ゴジラ斬りの刺客として立ちはだかる。

 ▽過去の高橋松井 巨人時代の00年2月20日、春季キャンプでの紅白戦で初対戦。入団1年目の高橋が右越え本塁打を浴びた。また、同年日本シリーズを控えた10月18日のシート打撃では、東京ドーム右翼席上部の看板直撃弾と中堅右への大アーチを被弾。敵チームとしての対戦は、04年3月28日にヤンキースの一員として来日していた松井が巨人とオープン戦(東京ドーム)を行い、高橋から中堅席の最上段に「凱旋アーチ」を叩き込んだ。

 ▽過去のメジャーでの巨人出身選手の対決 いずれも打者は松井で、レッドソックス岡島は11打席(10打数3安打)、オリオールズ上原は6打席(6―0)、パイレーツ桑田は1打席(四球)

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