楽天、仙台開幕!星野監督“投打で圧勝指令”

[ 2011年4月29日 06:00 ]

ベンチに張られた「がんばろう東北」の横を通る星野監督

 見せましょう、仙台の底力を。楽天が29日にオリックスと本拠地開幕戦を行う。28日、東日本大震災で甚大な被害を受けた仙台市に戻ったチームは、早速Kスタ宮城で全体練習。星野仙一監督(64)は「大勝」を厳命。先発の田中将大投手(22)には「完投指令」を出した。

  ただ勝つだけでは満足できない。東北のファンを喜ばせるため、星野監督が大勝指令を出した。

 「あす(29日)は大勝したい。1、2点差で逃げ切るのではなく最低でも5点以上取ってな。あすはカキーン、カキーンと音が響くはず。バキッ、グシャという音はないでしょう」

 3月3日に練習して以来となるKスタ宮城のグラウンド。星野監督にとっては、初めて本拠での指揮となる。今季の本拠地開幕戦を翌日に控え、気持ちは自然と高ぶった。すでにチケットは完売。満員のスタンドで試合するイメージを膨らませ「どういう雰囲気になるのか楽しみだな。満員はうれしい。それだけ待っていてくれたんだな。ベンチから熱さを伝えますよ」と心待ちにした。

 東日本大震災発生前は、3月25日の開幕戦を球団で初めて本拠地開催するはずだった。しかし、東北地方は甚大な被害を受け、Kスタ宮城も損傷した。プロ野球開幕は4月12日に延期され、チーム初の主催試合は15日に甲子園で開催された。そして、地震発生から49日。復興のシンボルとされるKスタ宮城で、今季開幕戦が行われる。

 星野監督はチーム全体が「特別な試合」と位置づける一戦を田中に託した。「完投?最後までいってもらわないといかん。勝ちたいんです!」。打線だけでなく、田中にも高い要求をする理由がある。「うちには3つの開幕がある。開幕戦と主催試合の開幕戦、そして本拠地での開幕戦」。2つの開幕戦は白星を手にした。3つ目の「開幕戦」は最大の重みを持つ。チーム打率・229の打線がつながりを見せ、田中が最後までマウンドを守る。投打で圧倒する姿は、東北のファンを何よりも元気づける。

 ≪過去3勝3敗≫楽天は05年の球団創設後、もっとも遅いシーズン14試合目で本拠地開幕戦を迎える。過去6年の通算成績は3勝3敗だが、田中は08、09年に先発しともに完投勝利。08年は日本ハムを4安打2失点、09年はソフトバンクを4安打完封と圧巻の成績を残している。

 ◇楽天のKスタ宮城、初練習ドキュメント◇

 ▼12時5分 京都市内の宿舎をバスで出発し、伊丹空港に到着
 ▼12時45分 定刻で伊丹空港を出発
 ▼13時55分 予定より5分早く仙台空港に到着。到着を待っていた約50人のファンからは「おかえりなさい」。「星野監督、あすは勝ってね」と声が上がる
 ▼14時50分 Kスタ宮城に到着。仙台空港から移動中のバスから津波の爪痕を見た山崎は「日に日によくなっているけど、まだ大変。いいところを見せて復興の手伝いをしないと」
 ▼15時35分 星野監督が一番乗りでグラウンドに現れ「あー、久しぶりやな」としみじみ
 ▼16時 全体練習開始。3月3日の練習以来、Kスタ宮城で体を動かす
 ▼18時 練習終了。Kスタ宮城で解散し、それぞれがタクシーで自宅やホテルへ向かう

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2011年4月29日のニュース