イチロー、165万円“御礼”699度目マルチ

[ 2011年4月24日 06:00 ]

<マリナーズ・アスレチックス>6回2死、左前打を放つイチロー

ア・リーグ マリナーズ4-0アスレチックス

(4月22日 シアトル)
 マリナーズのイチロー外野手(37)が本拠地開幕戦となった今月8日(日本時間9日)のインディアンス戦で使用したサイン入りユニホームが2万125ドル(約165万250円)で落札されたことが、22日(同23日)分かった。東日本大震災への支援を目的とし、球団サイト上で行っていたオークションで、出品中で最高値を記録。この日のアスレチックス戦でも2安打をマークするなど、野球でも元気を与えるプレーを続ける。

 イチローの凄さをあらためて再認識する金額だ。東日本大震災による被災地を支援するために、14日から球団の公式サイトで行われていたネットオークション。イチローは本拠地開幕戦で使用したサイン入りユニホームを提供していたが、落札額は2万125ドルを記録した。マ軍広報担当者は「非常に驚くべき数字。世界中の人々がイチローという選手を通じて、日本の被災者の方々への願いを託そうとしてくれたと理解している。本当にありがたい」と語った。

 出品されたユニホームは上がエメラルドグリーンで、球団初の地区優勝を果たした95年に着用したものを16年ぶりに復刻。今季は本拠地試合の月曜日と金曜日のみの限定着用とあって、お宝度も増した。今回のオークションでは、昨季のサイ・ヤング賞右腕ヘルナンデスのサイン入り首振り人形、本拠地開幕戦の打順表など、計6点が出品された。他品目の落札額は判明していないが、100万円超えはイチローだけだという。

 この日、本拠地セーフコ・フィールドで開催された昼食会でも、オークションが行われ、昨季未使用のサイン入りユニホームが、1300ドル(約10万6600円)で落札された。落札した日系人団体は、さらに2万ドル(約164万円)の寄付を上乗せしたという。球団の福祉団体が、これと同額(2万1300ドル)を出し、日本赤十字社に寄付することが決定。合計で、6万2725ドル(約514万3450円)の義援金が2つのユニホームから集まった。

 開幕前、イチローは「今年は別の思いも入ってくる年になる」と言った。被災者への配慮もあり、口を開くことはない。ただ、1億円の義援金から始まった支援は、開幕後もマ軍の顔、大リーグの顔として継続していく思いに変化はない。試合でも、初回の投手内野安打に続き、6回にも左前打。通算699度目のマルチ安打をマークした。

 セーフコ・フィールドで募っていた寄付金も23日(日本時間24日)で締め切られる。チームは2試合連続完封で松井との日本人対決に連勝。グラウンド上の活躍も、支援の輪を広げる重要な使命である。

 ◆イチローとオークション

 ☆台湾大地震救助募金 オリックス時代の99年10月16日に兵庫県神戸市で開催され、愛用のスパイクが80万円、バットも30万円で落札された。

 ☆チーム最高額 メジャー1年目の01年5月24日、傘下に入った2Aサンアントニオとの練習試合後に、着用したユニホームがオークションにかけられ、4150ドル(約49万8000円)で落札。出品された7品目でチーム最高額だった。

 ☆大魔神に圧勝 01年6月25日にマ軍主催のゴルフコンペで、サイン入りユニホームが6000ドル(約73万8000円)、バットが4000ドル(約49万2000円)で落札された。当時同僚だった佐々木主浩のユニホームは2800ドル(約34万4400円)だった。

 ☆ベース 10年連続200安打を達成した試合(10年9月23日・トロントでのブルージェイズ戦)で使用された一塁ベースが5000カナダドル(約40万円)で落札された。

 ☆松井にも完勝 4月3日のアスレチックス戦は東日本大震災の被災地を支援する「日本デー」として行われ、開幕戦でイチローと松井が着用したサイン入りユニホームが出品された。松井の落札額4555ドル(約38万2600円)に対し、イチローは6015ドル(約50万5300円)だった。

 ※落札額の日本円は、いずれも当時の換算レートで計算。

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2011年4月24日のニュース