石井一“原点回帰”で7回0封!連敗止めた

[ 2011年4月24日 06:00 ]

<オ・西>7回を3安打無失点に抑え、今季初勝利を挙げた石井一

パ・リーグ 西武4-0オリックス

(4月23日 京セラドーム)
 西武・石井一久投手(37)が23日、オリックス戦に先発し、7回3安打無失点で今季初勝利を挙げた。チームの連敗を5で止める好投の背景には、無駄な球種を使わない原点回帰のスタイルがあった。日米通算20年目のベテランと、正捕手・銀仁朗(23)のコンビが、シンプルな配球でチームにとっても自身にとっても大きな1勝をつかんだ。

 この試合で、石井一の直球の最速は138キロだった。それでも7回を3安打に抑えて、8三振を奪い今季初勝利を手にした。

 コンビを組んだ銀仁朗は言う。「真っすぐはバラついていましたけど、力があった。変化球も腕が振れていたので、やりやすかったですね」。

 プロ20年目。18歳の頃と比べて球速こそ落ちたが投球スタイルは19年前と同じだった。直球とカーブ。主に2つの球種で勝った。「直球も変化球も良かった。銀仁朗がよく見てくれて効果的に使ってくれた」と石井一。6回まで両軍無得点で1点もやれない展開。長打のある2人の左打者には徹底した攻めを見せた。

 (1)6回2死、T―岡田 3球続けて外角カーブで追い込み、最後も外角カーブ。一度もバットに当てられることなく空振り三振。

 (2)7回1死、李スンヨプ 外角カーブで2球連続空振り。さらに2球カーブを続けて二ゴロ。

 この試合、T―岡田には11球中8球、李スンヨプには11球中7球までもカーブを投じた。見え見えの配球でも、まともなスイングを許さなかったのはカーブのブレーキが利いていたから。その切れに手応えを感じたバッテリーは、相手打者が嫌がる配球に徹した。

 今季はキャンプ中から2年ぶりにカットボールを解禁。開幕直前に新球のシュートも実戦で試した。今季初登板の16日、ソフトバンク戦(ヤフードーム)はカットも使ったが、2回途中3失点でKOされた。「僕もチームもズルズルいかないように」。出した結論は、原点に立ち返る投球。一方で下位打線にはフォークを4球使った。「こんな球もあるんだよ」という遊び球。したたかさも備えた37歳が、連敗を止めた。

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