まさに神がかり!球児“かすらせず”10球3K

[ 2011年4月23日 06:00 ]

<神・横>力投する藤川球児

セ・リーグ 阪神4―3横浜

(4月22日 甲子園)
 バットに当てることすら許さない。当たるどころか、かすりさえしなかった。時空を超えた火の玉と打者の手元で消えるフォークとの絶妙なコンビネーション。9回に並べた3つの「K」が劇的なサヨナラ勝ちをたぐり寄せた。

 「コバヒロさんが耐えてくれて7番からだったからラッキーだった。と0を並べられた。投手はそれしかできないから。運良くアウトコースにいってくれた」

 神がかっていた。先頭の吉村にはオール直球勝負。最後は高め直球で空振り三振にねじ伏せた。続く細山田はフォークで空を切らせ3球三振に仕留めると、代打・森本も137キロフォークで3球三振。「悪いことではないからね。ボール自体はわからないけど、いい(三振の)取り方だったから」。圧巻の10球、3者連続の空振り三振にファンのボルテージも最高潮に達した。

 最高のリズムは直後の攻撃に波及。新井のサヨナラ打で試合が決まった。「もしかしたらと思っていた。久々にいけるな、と思っていた」と満面の笑みだった。

 10試合を消化し、この日で早くも6試合目の登板で今季初勝利も手にした。それでも「登板過多?そうでもない。2日間休んだしね」と気にするそぶりさえ見せない。これが球児という男だ。

 23日には国内FA権を取得する。「一人前になるのでもっと責任をもってやりたい。チームのために頑張るだけです」。頼もしすぎる背番号22。究極を追い求める限り、火の玉は死なない。

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2011年4月23日のニュース