前日誕生の娘が打たせてくれた…福留Wマルチ

[ 2011年4月22日 06:00 ]

<カブス・パドレス>第2試合の9回、右前打を放つ福留

ナ・リーグ カブス2―1パドレス カブス4―5パドレス

(4月20日 シカゴ)
 カブスの福留が、パドレスとのダブルヘッダーで両試合にマルチ安打を放ち、1日4安打。開口一番、前日に生まれたばかりの第2子となる長女へ感謝の思いを表した。

 「1試合目はキャッチャーフライがヒットになったし、2試合目も打球がいいところに飛んでくれた。娘が打たせてくれたような感じ」

 不思議な力を感じていた。第1試合は守備固めで出場。7回2死からの第1打席は平凡な捕飛がフェアゾーンに戻され、相手捕手が目測を誤って安打に。先発した第2試合は右前打を2本並べたが「実は両方とも詰まっていた」と明かした。

 球団からは出産に際して2日間チームを離れることを容認されていたが、第1試合直前に病院から駆け付けた。「ユニホームを着ている以上、試合に出るのは当たり前。体より、気持ちの面で普段とは違っていた」。10日に左太腿裏を痛め4試合欠場。患部は完治していないが、第2子誕生で気力が大きく上回った。

 海の向こうの日本への思いもある。開幕前には東日本大震災からの復興支援へ100万ドル(約8200万円)を寄付。中日時代から兄貴分として慕っている楽天・山崎から電話で日本の惨状を聞き胸を痛め、気持ちを新たにした。

 5試合連続安打で打率は・375へと急上昇。メジャー移籍後、3年連続で4月の月間打率は3割超えするなど春先の強さは、4年契約最終年の今季も健在だ。ただ、今年は「春男」だけで終わらない。愛娘のため、日本の被災者のため、多くの思いを胸に秘め福留は打席に向かう。

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2011年4月22日のニュース