父・寿孝さん独占手記 佑樹よ、前に突き進め

[ 2011年4月18日 09:11 ]

<日・ロ>場内一周する斎藤に拍手を送る父・寿孝さん、母・しづ子さん

パ・リーグ 日本ハム8-4ロッテ

(4月17日 札幌ドーム)
 佑樹、プロ初勝利おめでとう。「社会人初仕事」の記念すべき瞬間を札幌ドームのスタンドで立ち会えて、本当に良かったと思います。

 12日の開幕セレモニーも印象的でした。昨年12月の入団会見、キャンプ、オープン戦は「試用期間」だったはず。でも佑樹への大声援はファンが「新入社員」として迎え入れてくれたと感じたからです。小学校から中学、高校、大学、プロと5回目の「入学式」。期待に胸膨らませ、明るくふるまっていました。

 本格的に野球に取り組み始めた(群馬県太田市の)生品中時代。事実上、監督不在のチームながら私はあえて「自分たちで練習法を考え、試合に入りなさい」と突き放しました。「エース兼主将」だった佑樹はチームメートと相談し、サインを決め、3年夏には関東大会ベスト8まで進出。早実でも和泉監督は押しつけることをしなかったと聞きます。相手にこう投げよう、こうゲームに臨むべきといった野球の知識を吸収すべき時に、自分たちで学んでいけたのは良かったと思います。

 もちろんプロの打者は甘くない。壁に当たることだってあるでしょう。ただアマで学んできたことを今度は「仕事」としてアウトプットしてほしいんです。私は常々「技能的技術者になれ」と言ってきました。技能とは「体」技術とは「頭の中」で目的を達成するために用いる手段のこと。単なるボールを投げたり捕ったりするのではなく一つ一つのプレーに頭を使う、質の高い野球を求めてきたつもりです。子供には財産を残すのではなく、教育を施していけばどこでも生きていけるというのが私の持論。あとは本人が己の道を模索していけばいいんです。

 プロという「職業人」として長い年数をかけていく中で、きょうは貴重な一日になるでしょう。でも私は、佑樹の持つ緻密な野球をこれからもファンに見せてほしいと願ってます。だから白星や新人賞などタイトルに一喜一憂するのではなく、私の好きな言葉「常に前進」を胸に抱きながら、希望を持って突き進んでください。(斎藤寿孝)

 ≪母・しづ子さん「ご苦労さま」≫斎藤の母・しづ子さんは初勝利に「第1球にホッとした。佑樹には、ご苦労さまと言ってあげたい」。この日朝、電話で斎藤に「楽しんで」と激励。「佑樹は“おう”と言っていました。頑張って、という言葉はあえて外しました」。勝利の瞬間には涙をこぼし「内容が満足かどうかは分からないけど、皆さんに支えられた。佑樹に対するご褒美をくれたので、これからは選手のために仕事をしていかないと」と話した。

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