「勝たないといけない」 鉄平 吐き気がするほど緊張した開幕戦

[ 2011年4月13日 08:59 ]

<ロ・楽>スタメン発表の列につく鉄平

 【独占手記】吐き気がするくらい緊張した開幕戦でした。選手会長が打って、前選手会長が好投する最高の試合。僕も安打を打てればよかったんですけど、それでも点が取れる心強い打線ということです。

 地震が起きて、僕の中に今までなかった感情が芽生えています。「勝たないといけない」という使命感です。今までももちろん勝ちたいという思いはありました、ただ相手もプロだし生活をかけて戦っている。勝ち負けはどうなるか分からないから、自分のベストを尽くそうと考えていました。でも今年は違います。個人としてではなく、勝たないといけない。

 地震が起きた直後は寝られない日もありました。僕たちが被災地で先頭に立たないといけないのに、それができないジレンマを感じていました。「何で野球をするのか」もずっと考えていました。僕は選手として、野球は見て楽しむものだと思う。それを考えると、被災直後は「今こそ野球」という気持ちにはなれなかった。雨の日も、負けている日も応援してくれる方たちが苦しんでいる時に「僕たちには野球しかないですよ」と理想を貫いて野球をすることに違和感がありました。

 時間が経過して、少しずつ野球に気持ちを傾けることができました。中でも8日に宮城県の避難所を訪問したことは、大きな出来事でした。頭よりはるか上、10メートルくらいのところに津波の跡もありました。そんな恐怖を体験し、今も不自由な生活を送る方たちから「勝ってほしい」「野球で東北に元気を届けてほしい」と強い力で握手されました。選手はみんな、やらないといけないと強く感じたはずです。

 開幕を迎えましたが、今も地震のことを引きずっている気持ちもあります。野球が始まれば切り替えないといけませんが、忘れてはいけない感情でもあると思うんです。今年はたくさんの思いを背負って戦うシーズンになります。野球をやっていて、ここまで勝ちたいと感じたことはありません。今年考えるのは勝つこと。それだけです。(楽天主将、外野手)

続きを表示

「第91回(2019年)選抜高等学校野球大会」特集記事

「稲村亜美」特集記事

2011年4月13日のニュース