楽天勝利に拍手と歓声 避難所でテレビ観戦

[ 2011年4月12日 18:36 ]

 プロ野球楽天が開幕戦を逆転勝利で飾った12日、本拠地を置く仙台市の避難所では、日々の生活に追われながらもテレビ観戦した被災者から「よく頑張った」「よし、やった」と声が上がり、拍手に包まれた。

 震災後に楽天が初めて戻った7日に星野仙一監督が訪れた仙台市若林区の六郷中学校の避難所。楽天の大ファンで星野監督に握手してもらった会社員佐藤智晴さん(19)は、津波で家が浸水し、まだ住める状況ではないというが「落ち着いたら球場に絶対見に行く」と笑顔で話した。

 適時打を放った山崎武司選手が8日に慰問した若林体育館では、観戦中に発生した余震でテレビから離れる人や「やることがあるから」と通り過ぎる人も多かった。

 それでも楽天が同点に追い付くと、徐々にテレビの前に人が集まり、約30人が勝利の瞬間を見守った。大久保俊寿さん(68)は「岩隈が頑張ったね。暗いことばかりでも前に進まない。希望を与えてもらったよ」と声を弾ませた。

 東北地方では地上波の放送はなかったが、楽天が宮城県や福島県の18カ所の避難所に、CS放送が受信できるテレビを設置した。

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2011年4月12日のニュース