斎藤やっぱり“持ってる”5失点も公式戦初勝利

[ 2011年4月11日 06:00 ]

<ヤ・日>7回5失点ながら大勢の観客の熱視線を浴びながら粘投した斎藤

イースタンリーグ 日本ハム7―5ヤクルト

(4月10日 戸田)
 日本ハムのドラフト1位・斎藤佑樹投手(22=早大)が10日、イースタン・リーグのヤクルト戦(戸田)で先発し7回9安打5失点も打線の援護に恵まれ、2軍ながら公式戦初勝利を挙げた。
【試合結果】

 開幕前最後の調整登板は最速140キロも左打者の内角を攻めるなど、積極的に課題を克服しようと取り組んだ。今後は17日のロッテ戦(札幌ドーム)でプロ初先発するが、1軍では黄金右腕らしい快投でメモリアル勝利を奪い取る。

 4回、斎藤が成長を見せた象徴的なシーンが訪れた。1死から左打席の雄平に3球連続で胸元に投げ込むと、最後は外角チェンジアップで三直。続く同じ左打者の松井淳にも3球連続で内角を攻めると、最後は直球で遊直に抑えた。この日の最速は140キロ。のけぞらせるほどの内角球ではなかったが、内→外の攻めは形となった。

 2軍相手に7回9安打5失点。開幕前最後の実戦はピシャリとはいかなかったが、試合後の斎藤は晴れやかな表情を浮かべていた。「きょう(10日)のテーマはインコースの配球と変化球」。3日の楽天戦(札幌ドーム)では初回に5安打を集中され、3失点。安打は全て左打者に浴びたもの。外角直球ばかりの配球で、簡単に左方向へはじき返された。「5失点は良くなかったが、投球自体は納得できるものだった」と手応えを口にした。

 何より、プロ入り最多96球、最長7回を投げ、幸先よく公式戦に初白星を刻んだ。2度逆転した味方打線に「頼りない投球なんで、みんな打ってくれるんでしょう」と笑ったが、野手に反撃を促すリズムを持っているのも確か。9安打中8本が単打。3回、宮出に許した二塁打も中前の打球を守備がはじいたもの。「安打は(内野手の間を抜ける)コースヒットだったので自分のしたいことはできた」。長打で一気に大量点を失わない投球は、決して試合を壊さない。

 この日、札幌ドームで全体練習だった梨田監督は「17日のロッテ戦先発は変えるつもりはない」とあらためて明言した。日本中の注目を集めた昨年10月28日ドラフト会議。4球団の競合の末、日本ハム入りした右腕。東日本大震災の影響で延期になっていたデビューが、いよいよ迫る。

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