「皇子山」で初主催試合…関西出身選手で集客作戦

[ 2011年4月10日 06:00 ]

打撃練習を見守る(左から)栗山、中島、中村、銀仁朗

 西武ナインが集客のために一肌脱ぐ。東日本大震災の影響で西武ドームは節電により4月中は使用できない。そのため、26、27日の皇子山球場での楽天2連戦が、チームにとって今季初の主催試合となる。だが、なじみの薄い地方球場での試合とあってチケット販売は苦戦中。そこで球場がある滋賀県に近い関西出身の選手が立ち上がった。

 全体練習が行われた西武ドームで、大阪出身の中村は「皇子山には家族が来るので、知り合いも誘ってもらうように言いたい」と語り、兵庫出身の栗山も「1人でも多くの人にプロ野球を見てもらいたいし、できることはする」と電話などで、チケット売り上げに貢献していく構えを見せた。

 昨季、西武ドームの主催試合は1試合平均2万2257人を集めるなど、近年は地元密着の球団経営が実を結んでいる。今回は急きょ決まった地方球場での試合ということもあり、収容人員約1万5000人の球場でネット裏席を2000円など料金は格安に設定した。しかし、前売り券が発売された5日から現在までの売り上げは、約5000枚と伸び悩んでいるのが現状だ。今季初の主催カードでもあり、1人でも多くのファンに球場へ足を運んでもらいたいところ。京都出身の銀仁朗は「滋賀には何人か知り合いも住んでいるので連絡します」と力強く語った。

 楽天相手の試合で、当日はで募金活動なども含めて支援活動も検討中だが、兵庫出身の中島は「球場で募金活動をするとなれば、多くの方が集まった方が義援金も集まる」と集客に期待した。選手として、営業マンとして。西武ナインが、自らの手で集めたファンとともに今季初の主催試合を盛り上げる。

 ▽皇子山(おうじやま)球場 滋賀県大津市に1960年開設され、正式名称は皇子山総合運動公園野球場。主に高校、大学野球などに使用されていたが02年から5年かけて球場を一新。両翼を100メートル、中堅を122メートルへと拡大、スタンドの建て替え、室内練習場の設置などが行われプロ野球の試合規格に合った改修がなされた。以後、プロ野球のオープン戦や2軍戦を開催しているが、1軍公式戦は今回が初めて。収容人員は1万5200人。照明6基に電光掲示板を備え、グラウンドは内野が土、外野は天然芝となっている。

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2011年4月10日のニュース