星野監督 変わり果てた町に絶句も「乗り越えよう」

[ 2011年4月9日 06:00 ]

<楽天被災地訪問>寄せ書きを持つ(左から)楽天の山崎、奥村仙台市長、星野監督

楽天・監督、選手 宮城の避難所訪問

 絶句した。津波を受けた被災地を回った楽天の星野監督は、その途中、車を止めて高台から変わり果てた町の様子を眺めた。「地獄だな」。そう言ったきり、言葉が続かなかった。

 指揮官はこの日、田淵ヘッド兼打撃コーチ、佐藤投手コーチとともに山元町に向かった。役場で被災状況の説明を受けた後、地元の災害臨時ラジオに生出演し「われわれも燃え尽きるまで必死になって戦う。耐え忍んで、乗り越えていきましょう」とメッセージを送った。その後、避難所の山下中を慰問して被災者にサインボールを手渡したが、「皆さんが先の見えない生活が続くと思うと、(心境は)言葉では例えられない」と沈痛の面持ちで感想を漏らした。

 宮城県庁で村井嘉浩知事、仙台市役所で奥山恵美子市長とも面会した星野監督。29日にはKスタ宮城での今季開幕戦が予定される中、「いろんな言葉を掛けるより、われわれが勝ち進んでいくことが大事だと思う。貯金をして29日を迎えたい」と誓いを新たにした。

 ≪楽天ナイン千葉への道中“サムライ魂”注入≫各避難所を慰問した楽天ナインはKスタ宮城に再集合。午後7時前にバス2台に分乗して、ロッテとの開幕戦(QVCマリン)に備え千葉市内のホテルに向かった。車中ではトム・クルーズ、渡辺謙の共演で話題を呼んだ映画「ラストサムライ」が放映。揺るぎない信念に支えられた“サムライ魂”と被災地復興を目指す人々の姿を重ね合わせたのか、ナインは食い入るように見入った。到着は9日午前0時30分。約5時間半の長距離移動となったが、球団広報は「文句を言う選手は誰一人なく、これで開幕を迎えられるというすっきりした表情でした」と話した。

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2011年4月9日のニュース