脇谷、初回に交代指令…原監督「言葉にならないね」

[ 2011年4月7日 06:00 ]

練習試合<巨・神>初回無死二塁、平野のサード前へのバントで一塁カバーに遅れた脇谷を見つめる原監督(左)

練習試合 巨人5-5阪神

(4月6日 相模原)
 ネクストバッターズサークルに向かった巨人・脇谷が、一塁ベンチを振り向いた。ナインが一斉に注視したのは原監督だった。初回の攻撃開始直前。2番打者は素振りすらしないまま交代を命じられ、ベンチに戻って厳しい表情で革手袋を外した。

 「もうね、言葉にならないね。言葉にならない。懲罰?言葉にならない」。あきれ笑いを浮かべて指揮官が3度、そう繰り返したプレーは初回無死二塁の守りだった。阪神・平野の三塁前のバントで二塁手の脇谷は一塁にベースカバー。送球を受けたがベースを踏めず、内野安打として無死一、三塁とピンチを広げた。このミスが引き金となりいきなり2失点。初回の打席には古城が代打で立った。言葉にならない言葉を代弁したのは岡崎ヘッドコーチ。「脇谷に関しては今季、監督は凄く期待している。ボーンヘッドというかミスをきょうは許さなかった。次から同じことをしないことが大事」とした。

 今春の宮崎キャンプ。主将の阿部がベテラン組の別メニュー調整となった際に、主将代行に任命されたのが脇谷だった。さらに、飛ばない統一球が導入された今季は「1点を積み重ねることが大事。1点がなければ2点にならない。1点を重ねることを考えれば選択肢は決められてくる」とつなぐ2番の役割を重視するからこその厳しい措置。勝呂内野守備走塁コーチとベースカバーの復習練習をこなした脇谷は「頑張ります」と言葉少なだったが、少ない言葉を代弁したのも岡崎ヘッドコーチ。「脇谷に聞いたら“きょうはいい日でした”と言っていた。監督の気持ちも伝わっていると思う」と強調した。

 無観客の練習試合で起きた懲罰交代。2番打者の奮起を促し、開幕まで1週間を切ったチームを引き締める、原流のカツだった。

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